【MLB】3年48億でカブス加入のキンブレル ブランクに不安の声「7か月も…」

カブスとの契約合意が報じられたクレイグ・キンブレル【写真:Getty Images】

開幕から2か月経過して新天地がようやく決定

 昨オフにレッドソックスからFAとなり、シーズンが開幕しても去就が決まっていなかったメジャー通算333セーブの守護神クレイグ・キンブレル投手。このほど、カブスと3年総額4500万ドル(約48億7440万円)で契約に合意し、開幕から2か月が経過してようやく新天地が決まった。

 キンブレルはレッドソックスからのクオリファイングオファーを断っていたため、獲得球団はドラフト指名権を譲渡する必要があったため、去就決定が難航。全米ドラフトが終了し、契約が合意に達した。カブスに入団が決まり、ダルビッシュ有投手のチームメートになることとなった。

 シーズン最多セーブ4度、オールスター7度選出などの輝かしい実績を誇るメジャー屈指のクローザー。カブスにとっては大きな補強となるが、ただ、開幕から2か月が経過しており、その“ブランク”を不安視する声もある。米全国紙「USAトゥデー」も「カブスがついにクローザーの座にクレイグ・キンブレルを獲得。しかし、7カ月のブランクがある彼は、どれだけの腕前を見せられるだろうか?」と指摘している。

 キンブレルは通算333セーブを誇る右腕だが、最後の実戦登板は10月27日(日本時間28日)のワールドシリーズ・ドジャース戦。その後、FAとなりスプリングトレーニングにも参加していない。そのため、記事では「彼がメジャーの打者たちと対峙する準備は、7月になってようやく整うのかもしれない。スプリングトレーニングを丸々逃すなんて(通常なら)しないことだ。4月から6月中盤までプレーしないなんて」としている。

昨季開幕直後にカージナルスに加入したホランドが大苦戦した前例が…

 記事では、今回のキンブレル同様に、スプリングトレーニングに参加せずに、開幕直後にカージナルスと契約したグレッグ・ホランド投手を前例に挙げる。2017年まで通算186セーブをマークしていた右腕だったが、カージナルスでは結果を残せず、32試合で0勝2敗2ホールド0セーブ、防御率7.92。8月に戦力外となり、ナショナルズへと移籍した。ナショナルズでは24試合で2勝0敗4ホールド3セーブ、防御率0.84と復調したものの、加入直後は苦戦した。

 記事では、そのホランドのコメントも紹介。右腕はカージナルス移籍前後の日々を振り返り「悪夢だったよ。僕は準備できていると思ったんだけど、現実はそうじゃなかったね。練習している時の対戦相手が誰かなんて、大事なことではない。彼らはメジャーリーガーではないのだから。フィジカル面では、感覚は素晴らしかったんだ。けど、準備はできていなかったね」と振り返っている。

 そのため、「USAトゥデー」は「もしカブスが利口なら、彼らはカージナルスの大失敗から学ぶことになるだろう。そして、最低でも数週間はマイナーで彼をプレーさせることになるだろう」と、数週間はマイナーで調整し、実戦登板を経ていくことが必要と指摘する

 カブスは現在、34勝27敗でナ・リーグ中地区首位に立っている。「USAトゥデー」はカブスが再びチャンピオンシップを獲得するための「不可欠な要素」がキンブレルであると言及している。「キンブレル(獲得)に当初興味を示していた幾つかの球団は、今回の無所属期間が彼に対してどれほどの影響を与えるかに関して、懸念を示している」。果たして、メジャー最強守護神が、この“ブランク”を乗り越えられるだろうか。(Full-Count編集部)

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