元DeNA久保康友、今季最短3回途中5失点 同僚の元中日クラーク離脱が痛手…

メキシカンリーグのブラボス・デ・レオンでプレーする久保康友【写真:球団提供】

6敗目に「三振が取れなかった」、雨季のメキシコで雨に振り回される…

 メキシカンリーグのブラボス・デ・レオンでプレーする元DeNAの久保康友投手が8日(日本時間9日)、敵地でのペリコス・デ・プエブラ戦に先発したが、今季最短の3回途中で降板し、6安打5失点(自責4)で6敗目を喫した。前日の雨の影響でダブルヘッダー(7回制)で行われた試合は0-8で敗戦。続く2試合目も2-3で敗れた。チームは25勝30敗で南地区4位をキープ。久保は13試合4勝6敗、防御率6.13となった。

「今日は三振が取れなかった。三振が取れないと(守備のレベルが日本よりも低く、グラウンドコンディションも悪いため)アウトは奪えない。プエブラは日本のようにおっつけてくる打者が多かったので、やりにくかった」

 初回、3安打に野選などが絡み、3点を先制されると、3回にもソロ本塁打と味方の2失策で2失点。この日の奪三振はゼロで、気圧が低く、変化球が落ちにくい標高約2100メートルのプエブラで本来の力を発揮することはできなかった。プエブラは久保がこれまで投げた球場の中で最も標高が高く、相手チームの先発投手は、チームが用意した酸素吸入器をイニングの合間に使っていたほど。久保は「(標高約1800メートルの)レオンとそんなに変わらないし、そこまでしなくても大丈夫」と話していたが、勝利の女神は微笑まなかった。

 雨季に入ったメキシコで、1週間雨に振り回され続けた。4日(同5日)からメキシコシティで行われたディアブロス・ロホス・デル・メヒコ3連戦は3日とも試合前練習時に雨が降り、予定していたブルペン投球ができず。6日(同7日)には練習中に約30分間雹が降り、投球予定だったブルペンでの雨宿りを強いられ、その後、マウンドのない平らな室内練習場で投球練習せざるを得なかった。当初の先発予定は7日(同8日)のプエブラ戦だったが、6日(同7日)のディアブロス戦が雨天中止となったことでチームは先発ローテを再編。この日の先発となった。

 打線の援護にも恵まれなかった。5日(同6日)のディアブロス戦ではチームは0-29で大敗。最後は内野手が登板するお粗末な試合となり、完封負けの最多失点リーグ記録を更新した。その後、6、7日(同7、8日)と試合が中止となり、3日ぶりに行われたこの日の試合も、久保が投げた1試合で打線はわずか2安打。2試合目も6回途中まで無安打に抑えられるなど、打線に勢いがなくなってきていることが、チームの悪循環につながっている。

 5日(同6日)の試合では68打点でリーグ打点王の元中日、オリックスのマット・クラーク内野手が打席で右手を骨折。復帰まで2か月を要するとみられ、前半戦を4位以内で折り返すことが目標のチームにとって、クラークの離脱は大きな痛手となっている。

 この日53球で降板した久保は次回、中3日で前半戦最終戦となる本拠地での12日(同13日)ディアブロス戦に先発する予定。その後、16日(同17日)にはオールスターゲームも控えているだけに、最後は勝って前半戦を終えたいところだ。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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