シーサイドライン 逆走事故前、走行中に回路断線 自動運転再開メド立たず

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断線が発生した箇所付近の配線(国土交通省提供)

 横浜市の新交通システム「金沢シーサイドライン」の逆走事故で、逆走したのはシーサイドライン固有のシステム上の問題である可能性が高いことが14日、明らかになった。逆走の原因とみられる車両内の回路の断線が、事故前の走行中に起きていたことも判明。運行会社はシステム改修を急ぐ。15日で1日の事故から2週間となるが、自動運転再開のめどは立っていない。

 シーサイドラインの自動運転は、地上と車両にそれぞれある自動列車運転装置(ATO)が信号をやり取りする仕組みで、進行方向の切り替えなども行う。

 運行会社「横浜シーサイドライン」(同市金沢区)によると、事故が発生した1日午後8時15分新杉田発金沢八景行き下り列車は新杉田駅で、地上側ATOからの信号は正常に送られていたが、車両内の下り方向に進むよう指示する回路が断線。進行方向の切り替え指示が伝わらなかったため車両は逆走し、約25メートル後方の車止めに衝突した。

 同社などによると、断線したのは、1本前の下り列車が幸浦-産業振興センター間を走行中の午後7時25分ごろ。金沢八景到着後、新杉田へ折り返す際に上り方向を指示する別の回路は正常だったため、通常通り金沢八景駅を出発した。

 断線した回路は1号車後方に設置された「機器箱」に収納され、直径2~3ミリ。一部はステンレス製車体の内骨に接触し、溶けていた。同社や国の運輸安全委員会は断線が事故の原因とみて、さらに詳しく調べる。

 事故を受けて国土交通省は14日、自動運転の事故防止に向けた検討会の第1回会合を開催。同社のほか、東京の臨海部を走る「ゆりかもめ」など自動運転車両を運行する6事業者も参加した。

 会合後の会見で同省の担当者らは、シーサイドラインを除く各社の車両はいずれも同様の断線が起きた場合、モーターが作動せず折り返し運転時に発進しない仕組みになっていると説明。「他社もシステム改修に知見があるので、横浜シーサイドラインの対策案についてみんなで確認していく」とし、今後も会合を重ねる考えを示した。

 一方、同社は事故後、閉鎖している1番線ホームの使用を16日始発から再開。ただ、システム改修を終えるまで有人での手動運転を継続し、当面は従来の65%程度の運行という。代行輸送バスに関しては、今月中は平日朝のラッシュ時間帯、新杉田から市大医学部行きに限り10~15分間隔で走らせる。