新幹線長崎ルート JR九州株主総会で質問相次ぐ

 JR九州が21日福岡市で開いた株主総会では、九州新幹線長崎ルートで整備方式が決まっていない新鳥栖-武雄温泉間などについて株主から質問が相次いだ。JR九州は時間短縮効果などを挙げ、フル規格での整備を求める姿勢を説明した。
 フル規格にする場合、佐賀県分を負担するかとの質問には、前田勇人専務が「運行事業者として支払う以外の地方分を負担することは整備新幹線のスキームを逸脱する」と否定した。別の株主は、フル規格は佐賀県の費用対効果が低いと主張。前田専務は、鹿児島ルートで久留米や熊本から福岡まで通勤通学の新幹線利用者が増えているとし、「(フル規格による時間短縮で)定住人口の拡大に何らかの効果があるのではないか」との見方を示した。佐賀空港を経由するルートにすべきなどの意見も出た。
 長崎ルートが武雄温泉駅で在来線特急と新幹線を乗り継ぐ方式で暫定開業することについて、株主から「利便性や運賃の面でバスに利用客を奪われ、新幹線開業がJR九州の足を引っ張るのではないか」との懸念の声も上がった。

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