【MLB】ナショナルズ、防護ネットを両翼ポールまで拡大へ ファンは支持「良い決断」

ファウルがファンに直撃し、涙するカブスのアルモラJr.(右)【写真:Getty Images】

本拠地のネット拡大を発表、オールスターブレーク中に改修へ

 ナショナルズは21日(日本時間22日)、本拠地ナショナルズ・パークの防護ネットを両翼ポールまで拡大すると発表した。現在、メジャーリーグの球場はダグアウトまでネットが張られているものの、強烈なファウルボールで観客が負傷するアクシデントが続々と発生しており、防護ネット拡大への議論が活発化していた。

 ナショナルズは球団公式ブログで「(オーナーの)マーク・ラーナーからの案内:ナショナルズが防護ネットの拡大を発表」とのタイトルで記事を掲載。「ナショナルズファンへ」との書き出しで、今回の決定を発表している。

 記事では「本日、我々はオールスターブレーク中にナショナルズ・パークの防護ネットを拡大することを発表します。ウルトラ・クロス・ノットレス・ダイニーマの防護ネットを採用し、既存のネットを取り替え、右翼と左翼の角の手前付近まで拡大します。無結節ネットは有結節よりも見やすくなります。ネットは試合前に選手と交流できるようにダグアウト付近の部分が上げられる仕様となります」と報告。選手とファンの交流は継続できる構造になっているようだ。

 さらに、同ブログでは「ここ数週間、他球場で打球によりファンが怪我をすることが何回かありました。先月のアストロズ-カブス戦で4歳の少女がライナーに当たったことについて感情的にならずにはいられませんでした。その時のご両親の気持ちは想像を絶すると思います。そして、アルバート・アルモラJr.の反応を見て辛かったです。ナショナルズ・パークでネットを拡大することにより、ファンの安全を高められます」とも報告している。

ファンは次々と支持「正しい取り組みを称賛」「安全を真剣に考えてくれてありがとう」

 5月29日(同30日)にヒューストンで行われたアストロズ-カブスの一戦では、カブスのアルバート・アルモラJr.外野手の痛烈なファウルボールが観戦していた少女に直撃するという痛ましいアクシデントがあった。アルモラJr.はその場で涙を流し、試合は一時中断。同僚や監督や慰められ、他の選手も呆然と立ち尽くすなど球場は一時静まり返った。このニュースは大きく取り上げられ、防護ネット拡大への議論が活発化していたが、ナショナルズの決断にも大きく影響したようだ。

 ナショナルズは公式ツイッターでも「マーク・ラーナーからの案内:ナショナルズが防護ネットの拡大を発表」と発表したが、ファンからは支持する声が多く届いている。

「正しい取り組みを称賛する」
「良い決断。交流のためにネットが上げられるのがいいね」
「ネットは邪魔になるけど、ほとんどのファンが注意していないから必要だろうね」
「ファンの安全を真剣に考えてくれてありがとう」
「他のチームも続く必要がある」
「個人的には嫌だけど……理解するし文句は言わない」
「クール」
「素晴らしいニュース」

 まだネット拡大に反対する声もあるが、観戦中の安全を守るための措置に理解を示すファンは圧倒的に多い。これがきっかけでメジャーリーグが大きく変わるかもしれない。(Full-Count編集部)

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