平和文化研究所 旧長崎警察署 保存と活用を 長崎県に申し入れ

申し入れ書を手渡す上薗所長(右)=県庁

 原爆や平和文化などについて研究している長崎平和文化研究所(上薗恒太郎所長)は24日、県庁を訪れ、長崎市江戸町の県庁跡地に隣接する旧長崎警察署(旧県庁第3別館)と周辺の石垣について、保存と活用を県に申し入れた。
 2017年からシンポジウム「都市の記憶」を通して、長崎の歴史や文化について議論してきた同研究所。旧長崎警察署について「被爆建造物として重要」「都市の記憶を残す場所として意義深い」としている。
 上薗所長が県企画振興部参事監兼土木部参事監の村上真祥氏に、申し入れ書を手渡し、活用法について、公文書館や朱印船貿易博物館の設置などを提案した。
 「日本や世界の人の記憶に残る長崎にするには、長崎が記憶を残さないといけない」と上薗所長。同席した江戸町商店街振興会の三瀬清一朗会長(84)は「いつも人の出入りがあるような施設が望ましい。古い建物が長崎からどんどん消えている。ぜひ残してほしい」と述べた。
 県は保存、活用について検討し、基本構想で示す方針。

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