横浜市がIR説明会 「マイナス面記載ない」と批判も

市民を対象に行われたIR説明会 =横浜市中区

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致の是非を検討している横浜市は25日、2018年度の調査結果を報告する市民向けの説明会を、同市中区と保土ケ谷区で開いた。市側は「白紙」の立場を強調したが、参加者からは誘致反対や市の対応を批判する意見が相次いだ。

 中区役所で開かれた説明会には定員100人に対し、185人が応募した。

 市の担当者が日本型IRの目的や、国内外の12事業者・グループが市に提出した構想案を説明した。

 参加者からは「市民感覚は圧倒的に反対。説明会を開く時点で、(市が)導入に傾いているとの印象を持たざるを得ない」「市民らがカジノで損した金が、税収として市に入ることをどう思うのか」といった意見や質問が出された。市側は「きょうの意見も、今後の検討の参考にしたい」とした。同市磯子区の金子きくみさん(70)は「白紙なのに調査をやること自体が変。報告書はカジノのマイナスの側面を書いていない」と指摘した。

 市が説明した構想案は、IRの事業性や想定される懸念事項とその対応策を探る一環として募ったもの。提出した国内外の12事業者・グループは、いずれも山下ふ頭(中区)を立地場所に想定し、カジノや国内最大級のMICE(国際会議などの総称)施設、高級ホテル、美術館などを配置するとした。市は有識者ヒアリングの結果なども盛り込んで報告書にまとめ、今年5月に公表した。

© 株式会社神奈川新聞社