リヴァプールが買った「大失敗選手」6名

昨季UEFAチャンピオンズリーグを制覇したリヴァプール。ユルゲン・クロップ監督の下、多くのことが上手く進んでいる状況だ。

しかし彼らも決して成功ばかりではない。この数年の間にも多くの「大損」になるような選手を獲得してしまったことがあり…。

ロビー・キーン

移籍金:1900万ドル(およそ21.3億円)

2008年夏、キーンへの関心を公に表明したリヴァプール。当時彼を保有していたトッテナムは公に「選手の立場を不安定にさせる行為だ」と訴状を提出するなど泥沼になったが、結局7月28日に契約が結ばれた。

「ダブリンで育っていたころからリヴァプールのファンだった」と語ったキーンだったが、同時に獲得されたフェルナンド・トーレスが爆発する一方で、チームにフィットできず二人のエースを併用することも難しかった。

結局彼は僅か半年でチームを離れることになり、2009年2月2日にトッテナムへの復帰が決まった。移籍金は1200万ポンド(およそ17.46億円)で、700万ポンド(およそ10.19億円)もの損が出た。

ラザール・マルコヴィッチ

移籍金:2000万ドル(およそ22.4億円)

彼の価格が2000万ポンドもしたことを忘れそうになるが、僅か5年前にはそれだけの期待を受けていた選手であった。

パルチザン・ベオグラードからベンフィカに移籍した彼は19歳でレギュラーに定着。シーズンを通して公式戦49試合に出場するというタフさも見せつけ、評価を一気に高めていた。

しかしリヴァプールに移籍してからはあっというまに失速。ロジャーズ監督の下でウイングバック起用されたことにも公に不満を述べ、ほとんど戦力外の扱いに。ローン先でも活躍できず、今年1月にはフラムに完全移籍したが1試合のみのプレーに終わっている。

スチュワート・ダウニング

移籍金:2000万ドル(およそ22.4億円)

ミドルズブラの下部組織で育成された「クロス職人」ダウニング。若くしてデビューを果たし、21歳でイングランド代表にも招集された。驚きのUEFAカップ決勝進出にも貢献し、2009年にはアストン・ヴィラへと移籍。アシュリー・ヤングらとともに好プレーを見せた。

そして、満を持して27歳となった2011年にリヴァプールへと移籍。実力派間違いなく実績で証明されている選手だった…はずだが、初年度はプレミアリーグで36試合に出場しながらゴールもアシストも記録できず。ファンからはただ黒い映像だけが流れるシーズンハイライトまで作られてしまった。

2年目はそれなりにプレーすることは出来たが、2013年には僅か500万ポンド(およそ7.28億円)という移籍金でウェストハムへと去っていった。

アルベルト・アクイラーニ

移籍金:2000万ドル(およそ22.4億円)

「ジャンフランコ・ゾラやパオロ・ディ・カーニオは例外だが、多くのイタリア人はプレミアリーグで成功できない」と言われている。アクイラーニはまさにそうだった。

ローマの下部組織から輩出されたプレーメーカーは、オリンピコで素晴らしい存在感を見せたイケメンだった。2009年に1700万ポンド+ボーナス300万ポンドでリヴァプールに加入し、イングランドでの挑戦をスタートさせる。

しかしベニテス監督の下ではめったに90分プレーすることは出来ず、彼はイタリアへの復帰を希望。ユヴェントス、ミランに貸し出された後、フィオレンティーナに売却された。その価格は80万~200万ユーロ(およそ1~2.4億円)程度だったとか…。

クリスティアン・ベンテケ

移籍金:3250万ドル(およそ36.4億円)

ベンテケはアストン・ヴィラで2014-15シーズンに13ゴールを決めた。そしてリヴァプールの歴史上最も高額な移籍金(当時)でアンフィールドへとやってきた。

しかしながら、彼にとって不運だったのはこの年に就任したユルゲン・クロップ監督のプレースタイルに全く合致しないタイプだったことだ。

2度の負傷に悩まされながら、しかも途中出場が多い中でシーズン9ゴールを決めているにも関わらず、まるで追い出されるようにチームを去ることになった。むしろパレスに移籍した今のほうが苦しんでいる…。

アンディ・キャロル

移籍金:3500万ドル(およそ39.2億円)

ニューカッスルで大ブレイクした「イングランドの古き良き点取り屋」キャロル。2011年1月にフェルナンド・トーレスをチェルシーに売却したリヴァプールは、彼を後釜とするために3500万ポンドを投じた。

これはキャロルを「イングランド人としては最も高額な選手」としたものの、そもそも怪我を抱えながらの加入であったことから出場機会が限られ、初年度は2ゴールのみに。

2年目は活躍が期待されたが35試合で4ゴールと期待を大きく裏切り、同時に獲得されたルイス・スアレスの影に隠れる存在となってしまった。2012年8月にはウェストハムに貸し出され、後に1500万ポンド(およそ21.8億円)で売却された。

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