WECプレシーズンテストがバルセロナで開幕。初日は小林可夢偉組トヨタ7号車がトップ

 WEC世界耐久選手権2019/2020年シーズンに向けた公式プレテスト“プロローグ”が7月23日、スペインのカタロニア・サーキットで開幕した。翌24日まで行われる同テストの初日は、2セッション計8時間30分に渡って実施され、ホセ-マリア・ロペスが最速1分29秒991をマークしたTOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ロペス組)が初日トップに立っている。

 現行LMP1規定最後のシーズンとなる2019/20年WECは9月1日、イギリス・シルバーストンで開幕戦を迎える。それに先立って行われた公式テスト“プロローグ”にはLMP1、LMP2、GTE Pro、GTE Amの4クラスから合計30台が集結。最高気温33度、路面温度は46度まで上昇する猛暑のなか、まずは午前のモーニングセッションが実施されていく。

 10時から4時間の予定で設定された同セッションでは13時過ぎ、7号車トヨタを駆るロペスが、唯一の1分29秒台に入る1分29秒991を記録して午前最速となった。2番手は同じくトヨタの8号車トヨタTS050ハイブリッドが入り、こちらもセッション終盤にパーソナルベストをマーク。タイムは首位と0.267秒差の1分30秒258だった。

 プライベーター最上位の3番手は、グスタボ・メネゼスのドライブで1分31秒603をマークしたレベリオン・レーシングの3号車レベリオンR13・ギブソン。4番手には僚友1号車レベリオンが1分32秒091で続いた。

 2台のジネッタG60-LT-P1・AERを持ち込んだチームLNTは6号車のみが15周を走り、ステファン・サラザンが1分34秒670という自己ベストを記録。6号車はノータイムに終わっている。

■午後は8号車トヨタの中嶋一貴が最速タイムをマーク

 午後のセッションは現地17時から21時までを予定したいたものの、途中の赤旗中断によって終了時間が30分延長されることに。

 このアフタヌーンセッションで速さを見せたのは8号車トヨタを駆る中嶋一貴だった。セッションスタートから2時間後に新加入のブレンドン・ハートレーからステアリングを受け継いだ一貴は、自身7周目に1分30秒114をマークしている。

 午前をトップで終えた7号車は、ロペスの後を受けた可夢偉がアタックを行い1分30秒180を記録。このセッションでは僚友とわずか0.066秒差の2番手となったが、総合リザルトでは初日首位となった。

 プライベーター勢はレベリオン2台とチームLNTの2台、合計4台がいずれも1分31秒台のタイムで並んだ。そのなかの最上位、3番手は1号車レベリオンでタイムは1分31秒073。これに3号車レベリオンが1分31秒401で続き、1分31秒828をマークした5号車ジネッタが5番手に。6号車ジネッタもほぼ同タイムでテスト初日を終えた。

■新型ポルシェ911 RSRがGTE Proクラスに初登場

午後最速タイムをマークした8号車トヨタTS050ハイブリッド

 LMP2クラスでは今季がWECデビューとなるユナイテッド・オートスポーツの22号車オレカ07・ギブソン(フィル・ハンソン/フィリペ・アルバカーキ/ポール・ディ・レスタ組)が、午前と午後の両セッションでクラストップとなった。最速タイムは午後の1分33秒110。

 クラス2番手はトヨタのリザーブ兼テストドライバーを務めるトーマス・ローランを擁すシグナテック・アルピーヌ・エルフの36号車アルピーヌA470・ギブソンがつけ、同3番手にはグッドイヤーを装着したレーシングチーム・ネーデルランドの29号車オレカ07が続いた。山下健太が所属するハイクラス・レーシングの33号車オレカは午後に5番手に入っている。

 LM-GTE Proクラスは午前、午後ともにフェラーリが速さをみせ、モーニングセッションではAFコルセの51号車フェラーリ488 GTE Evo(ジャームス・カラド/アレッサンドロ・ピエール・グイディ組)が1分44秒040で首位に。午後は僚友71号車フェラーリ(ダビデ・リゴン/ミゲル・モリーナ組)が1分43秒814で首位に立っている。

 最多11台がエントリーしているGTE Amクラスでは王者チーム・プロジェクト1のポルシェ911 RSRが両セッションでワン・ツーを記録。午前はこれにデンプシー・プロトン・レーシングの77号車ポルシェ911 RSRが続き、午後はAFコルセの54号車フェラーリ488 GTE Evoが3番手、石川資章率いるMRレーシングの70号車フェラーリ488 GTE Evoが4番手となった。

1号車レベリオンR13・ギブソンと7号車トヨタTS050ハイブリッド
TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド
ユナイテッド・オートスポーツの22号車オレカ07・ギブソン
GTE Proクラスを戦う51号車フェラーリ488 GTE Evo、92号車ポルシェ911 RSR、97号車アストンマーティン・バンテージAMR
AFコルセの71号車フェラーリ488 GTE Evo
LM-GTE Proクラスに投入された2019年型ポルシェ911 RSR
山下健太を起用するハイクラス・レーシングの33号車オレカ07・ギブソン
GTE Amクラスの57号車ポルシェ911 RSR

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