平和イベント継続 ネットで資金募る 映画監督・稲塚さん 12月、長崎市で上映と朗読

インターネット上に開設されたクラウドファンディングの画面

 昨年まで長崎市で開かれた「長崎国際平和映画フォーラム」(国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館主催)のプロデューサーを務めていた東京の映画監督、稲塚秀孝さん(68)が、映画や朗読を通して反核平和を訴えるイベントを同市で12月に開こうと、インターネットのクラウドファンディングで資金を募っている。同フォーラムが国側の判断で今年から内容を変更。稲塚さんは独自に従来同様の形での継続を目指している。
 稲塚さんは、広島、長崎で原爆に遭った長崎市の「二重被爆者」、山口彊(つとむ)さん(2010年に93歳で死去)を05年から取材。同フォーラムは10年から9回にわたって開き、被爆の実相や原発事故被害などを伝える映画上映、朗読、写真展などを毎回2~3日間の日程で展開していた。
 同祈念館によると、今年は映画や音楽、朗読などのイベント「国際平和祈念祭(仮称)」を12月に1日間開く予定。同祈念館は「規模を縮小した上で、若者を呼び込む内容にしたい」と説明している。
 一方、稲塚さんが計画しているのは「ナガサキ映画&朗読プロジェクト」。12月14、15の両日、長崎原爆資料館(同市平野町)ホールで開く予定。映画5作品を上映するほか、東京の劇団「無名塾」の俳優をはじめ県内外の市民が参加し被爆体験の朗読を聞かせる。
 クラウドファンディングは9月25日までに150万円の支援を求めており、目標額に達しなかった場合は返金される。稲塚さんは「被爆の実相を伝え、平和を希求する活動を民間の力で続けたい。地元の応援をお願いしたい」としている。
 サイトのURLはhttps://readyfor.jp/projects/nagasaki-peace

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