電力供給収益で地域振興 「西九州させぼパワーズ」設立

西九州させぼパワーズの設立会見で連携を確認する佐世保市の朝長則男市長(左から3人目)や社長に就任する田中副市長(同4人目)ら=佐世保市役所

 長崎県佐世保市は、90%を出資した自治体新電力会社「西九州させぼパワーズ」を設立した。市を含む周辺11市町でつくる連携中枢都市圏「西九州させぼ広域都市圏」の取り組みの一つ。関係市町の公共施設や民間事業所に電力を供給。収益を財源とした公益的事業で各地域に還元する。年明けにも供給を始める。
 新会社は、太陽光など地元の発電所を中心に電力を調達する。エネルギーの「地産地消」を通し、地域外に支払っていた電気料金を域内にとどめる狙い。
 事業には、11市町のうち5市2町(佐世保市、松浦市、平戸市、西海市、伊万里市、東彼東彼杵町、新上五島町)が参加予定。当面は佐世保市内にある約200カ所の公共施設に電力を供給。2年目に営業利益3千万円超を見込む。その後、各市町の公共施設、民間事業所に広げる。収益を活用した振興事業の内容は、各地域の課題解決を目的に今後具体化する。
 設立は1日付。資本金3千万円で、市と新電力のパシフィックパワー(東京)、親和銀行(佐世保市)が出資する無配当の株式会社。市役所を本社とし、田中英隆副市長が代表取締役社長を務める。運営はパシフィックパワーが当たる。
 2日に市役所で会見した田中社長は「電気というライフラインを軸に事業を進める。地域創生を担うことができるよう、発展に向けて尽力したい」と語った。

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