FIA-F2第8戦ハンガリー レース1:ラティフィが4勝目。粘りの走りで松下信治は5位入賞

 8月3日、2019年FIA-F2第8戦ハンガリーのレース1が開催され、ニコラス・ラティフィ(ダムス)が優勝、日本の松下信治(カーリン)は5位だった。

 金曜日は雨に見舞われたハンガロリンクだが、土曜日は気温22.7℃、路面温度32.8℃のドライコンディション。規定周回数は37周で、一回のピットインとミディアム、ソフトタイヤの使用が義務となる。

 今シーズン初めてウェットコンディションで行われた予選ではニック・デ・フリース(ART)がポールポジションを獲得。2番手にルカ・ギオット(ユニヴィルトゥオーシ)、3番手にラティフィと続き、ハンガロリンクで過去に2度の優勝経験を持つ日本の松下は8番手につけた。

 上位勢はソフトタイヤを選択し、日本時間17時10分、決勝レース1の火蓋が切って落とされた。デ・フリースが好スタートを切るも1コーナーの進入でアンダーを出しコースアウト側へ。そこへラティフィがクロスラインを仕掛け首位に浮上した。

 後続は3ワイドをキープしながら各コーナーを通過。松下も6番手にポジションアップし、周回を重ねていく。

 4周目、前を追う8番手のルイス・デルトラズ (カーリン)が最終コーナーから立ち上がり、ホームストレートを駆け抜けようとした瞬間、マシンから白煙を吹いてしまう。エンジンブローしたようでここでマシンを止めてしまった。

 トップのラティフィと差が2秒以上開き始めたデ・フリースは、先陣を切って6周目にピットインしタイヤを交換。8周目には松下を含む半数のドライバーがピット作業を済ませる。

 14周目には、タイヤ交換を遅らせるライバルをパスしてきたラティフィが暫定3番手、その2.704秒後ろをデ・フリースが追いかける展開に。前方にはタイヤを変えていない2台、暫定首位のジョーダン・キング(MPモータースポーツ)と2番手アンソニー・フバート(BWTアーデン)のみとなった。

 一方で松下はタイヤを温存する作戦か、暫定10番手をキープしてラップを重ねていく。ここまでのレースでは終盤の追い上げが顕著であり、後半の走りに注目が集まる。

 後方では最後尾を走っていたアルジュン・マイニ(カンポス)が19周目に4コーナーでコースアウトしストップ。マイニはリタイアし、マシン回収のためバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入されることに。

 レースは22周目から再開され、暫定トップのキングを先頭にフバート、実質首位のラティフィ、デ・フリースと続く。また暫定9番手の松下が最終コーナー立ち上がりでミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)と並びそのまま1コーナーへ、そして交わし順位を1つ上げた。

 27周目、暫定5番手のジャック・エイトケン (カンポス)にルカ・ギオット(ユニヴィルトゥオーシ)、松下、シューマッハーがそれぞれ1秒前後、1画面上に収まる距離に接近する。

 その前方では暫定首位のキングとフバートが同時にピットイン。それぞれ9番手、12番手でコースに復帰し、ラティフィが首位へ浮上。また松下が5番手となり、4番手ギオットとは0.918秒差で残り10周以下の戦いへ挑むことに。

 タイヤをマネジメントしながら走行する松下はギオットへ徐々に迫る。32周目にはさらにその前方の3番手エイトケンが射程圏内に入り、一気に表彰台争いの様相を呈していく。

 その後方から6番手のセルジオ・セッテ・カマラ(ダムス)が急接近。松下は34周目の1コーナーでギオットとサイドバイサイドになりそのまま2コーナーへ。そこへセッテ・カマラが並びスリーワイドになりながらコーナーをパス。松下はセッテ・カマラに抜かれドロップ、勢いが鈍った松下はキングにも交わされ7番手まで下がってしまった。

 松下らがバトルを繰り広げる中、ラルフ・ボスチャング(トライデント)が35周目にエンジンブローでストップ。コース上にオイルを巻いたか2番手デ・フリースがスピン、間一髪でコースに復帰したが、このためセーフティカーラン(SC)に。

 そしてSC先導のままレースは終了。ラティフィが逆転で4勝目、デ・フリースが2位、エイトケンが3位に。

 また松下の前でフィニッシュしたギオットとキングがVSC中の規定違反が発覚しゴールタイムへ5秒加算ペナルティに。そのため7位でフィニッシュした松下が5位入賞となり、6戦連続入賞を果たした。

 第8戦ハンガリーレース1終了時点のポイントランキングトップはニック・デ・フリース(ART)が192ポイント、2番手に164ポイントのラティフィ、3番手は130ポイントでセッテ・カマラがつけている。

 レース2は日本時間8月4日(日)18:25から行われる。

ニコラス・ラティフィ(ダムス)

■FIA-F2第8戦ハンガリー 決勝レース1 リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap Start Pos.

1 6 N.ラティフィ ダムス 37Laps 3

2 4 N.デ・フリース ART 0.752 1

3 15 J,エイトケン カンポス 1.045 7

4 5 S.セッテ・カマラ ダムス 4.144 12

5 2 松下信治 カーリン 5.282 8

6 8 L.ギオット ユニ ヴィルトゥオーシ 7.995 2

7 16 J.キング MPモータースポーツ 10.048 10

8 9 M.シューマッハー プレマ・レーシング 15.807 4

9 7 Z.グアンユー ユニ ヴィルトゥオーシ 17.795 9

10 11 C.アイロット ザウバー・ジュニアチーム 18.562 6

11 19 A.フバート BWTアーデン 20.018 18

12 3 N.マゼピン ART 22.072 19

13 20 G.アレジ トライデント 22.754 13

14 12 J-マヌエル・コレア ザウバー・ジュニアチーム 23.756 11

15 10 S.ゲラエル プレマ・レーシング 28.183 17

16 18 T.カルデロン BWTアーデン 1’15.823 20

17 17 M.ラフーナサン MPモータースポーツ 1’16.172 16

18 21 R.ボスチャング トライデント DNF 15

— 14 A.マイニ カンポス DNF 14

— 1 L.デルトラズ カーリン DNF 5

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