「核禁条約発効 後押しを」 訪問先の関係者 期待と歓迎

ローマ法王フランシスコが訪問予定の(上から)爆心地公園、日本二十六聖人殉教地、県営ビッグNスタジアム

 11月24日に長崎市を訪れるローマ法王フランシスコの行動予定が発表された2日、訪問先の関係者からは歓迎と期待の声が上がった。
 法王は爆心地公園で核兵器廃絶に向けたメッセージを発信する。被爆後の長崎で撮影されたとされる写真「焼き場に立つ少年」の普及を呼びかけるなど核廃絶への思いは強い。バチカンは核兵器禁止条約に最初に批准した国の一つでもある。
 長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の田中重光会長(78)は「核兵器禁止条約の発効に向け後押しとなるメッセージを」と期待。カトリック長崎大司教区の高見三明大司教(73)は「核保有国のリーダーや世界の人の心を動かしてほしい」と願った。
 法王は修道会のイエズス会出身。同会修道士のパウロ三木ら「先輩」も含まれる「日本二十六聖人」の殉教地も訪ねる。日本二十六聖人記念館の館長で同会のドメニコ・ヴィタリ神父(81)は「日本の大切なカトリックや殉教者の歴史に触れてもらい、世界にも知ってほしい」と語った。
 1981年に法王として初来日した故ヨハネ・パウロ2世は長崎市に2日間滞在。浦上天主堂や、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一つとして登録された大浦天主堂なども訪れた。今回も両天主堂は訪問先の候補に挙がっていたが、日程の都合もあり見送られた。

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