サッカー湘南、チョウ貴裁監督が退任 水谷社長ら減給処分

就任8季目の途中で辞任することが決まった湘南・チョウ貴裁監督=4月19日の川崎戦

 サッカーJ1湘南ベルマーレは8日、スタッフや選手へのパワハラ行為でJリーグの処分を受けたチョウ貴裁監督(50)が退任すると発表した。8月中旬の問題発覚後は指導を自粛し、処分を解かれた後も復帰要請を固辞していた。クラブは後任監督の選定を進めている。

 チョウ監督は、威圧的な態度で罵声を浴びせるなどした複数の言動がパワハラに当たると認定され、10月4日にJリーグから公式戦5試合の出場資格停止とけん責処分を科された。「指導者として、人としての力のなさを痛感した。もう一度初心に立ち返り、受け手が感じる気持ちに深く寄り添い、共に歩んでいける真の強さを身に付けたい」とコメントしている。

 クラブ側は当初、現場復帰の可能性も探ってきたが、チョウ監督は今回の問題で自身だけでなくベルマーレも厳しい批判にさらされている事態を重く受け止めているという。自粛後は高橋健二コーチ(49)が暫定的に指揮を執っているが、18チーム中15位に低迷。J2降格の危機に直面している。

 京都府出身のチョウ監督はJ2時代の2012年にコーチから昇格し、今季で8季目。攻守にハードワークを求めるスタイルで強化を進め、昨季はYBCルヴァン・カップ初優勝に導いた。

 幹部への処分も発表され、水谷尚人社長(52)と坂本紘司スポーツダイレクター(40)を減給50%(3カ月)とした。無報酬の真壁潔会長(57)は水谷社長の減給分と同額を慈善団体に寄付する。

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