タイヤの問題に苦しみ続けるハースF1、2019年シーズン中の解決は困難とチーム代表が示唆

 ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは、2019年シーズンに苦しんできた慢性的なタイヤの問題を今年中に解決できるかどうかは不確かだと述べている。

 タイヤをうまく使いこなすことがハースの課題であったが、開幕戦以降、実質的には進展がない状態となっており、ドライバーたちは中団グループのライバルたちとの戦いに苦しんでいる。

 日本GPもハースにとっては「似たような状況」であったといい、ロマン・グロージャンとケビン・マグヌッセンはパフォーマンスが一貫しないVF-19で戦うことを余儀なくされた。

「今回も同じような状態だった。今となっては、こういうことになると分かっている。決して良い状況ではないが、実際に起きてしまうのだ」とシュタイナーは『Crash.net』に語った。

「どこかの時点でタイヤに問題が出るだろうと常に分かっていながらレースに向かう。なぜなら我々はタイヤを作動させるのに必要な熱を入れることができないからだ」

「そしてブルーフラッグが出ると減速しなければならないが、そのせいでタイヤが冷える。そうなると温度を戻すことができずに順位が下がってしまう」

「この問題への解決策がないと言うと、あまりに単純なことに聞こえるかもしれないが、それが事実だ」

「たとえば予選のワンラップでは通常まずまずの結果が出せる。Q3進出は私の意見では立派な進歩だ。だがタイヤが原因となって、レースでは持ちこたえることができない。タイヤの温度を維持することができないのだ」

 確かに日曜午前に行われた鈴鹿での予選セッションでグロージャンはQ3進出を果たしたが、52周のレースでは中団グループの後方で低迷を続けることになった。

 ハースはタイヤの問題を解決するため、この数カ月にわたってVF-19に様々な空力構成を試してきた。だが残念ながら大きな改善はみられていないようだ。問題に対するチームの理解は深まっているものの、解決策を施すのは困難であるという。

「我々は自分たちの立ち位置を分かっているし、なぜその位置にいるのかも分かっている。だがこの問題を解決するのはまた別の話であり、今年確実に解決できるかどうかは分からない」とシュタイナーは認めた。

「とにかくあと4戦しか残っていない。だが全体的に良い日もあるかもしれない」

「『次の2戦でアップグレードを持ち込みそれが問題を解決するだろう』と言える状態ではない。我々はこの問題を、確実に来年まで持ち越さないようにする必要がある。この問題には非常に消耗させられているからね」

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