変わり続ける大村 園田市政2期目スタート・下

町づくり 大型事業 未来像どう示す

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九州新幹線長崎ルート新大村駅(仮称)の建設現場。大型事業が控える中、町の姿は大きく変わりつつある=大村市植松3丁目

 今月8日、九州新幹線長崎ルートの2022年度暫定開業に向け、大村市植松3丁目であった新大村駅(仮称)の安全祈願祭。集まった関係者らを前に、園田裕史市長はこう力を込めた。「単なる駅舎建設で終わらせず、オール大村、オール長崎で新幹線事業を進めていきたい」
 高速道路のインターチェンジや長崎空港に加え、市内に新幹線駅が誕生することを“三種の神器”に例える園田市長。県全体をつなぐハブとしての、さらにはカジノを含む統合型リゾート施設(IR)のハウステンボス誘致が実現すればアジアの玄関口としての役割も生まれるとして、高速交通網を生かした町づくりに意欲を見せる。
 新幹線開通をにらんだ取り組みは、民間レベルでも進行中だ。今年3月には、大村商工会議所青年部を中心に検討されてきた「市新幹線開業アクションプラン」が策定。官民で構成する推進協議会が中心となり、▽プロモーション▽観光商品づくり▽移住・定住促進-の3分野で各事業を進めることにしている。ただ、どれだけ市民を巻き込んだ動きになるかは未知数だ。同会議所の中村人久会頭は「新幹線事業に関しては市民とまだ温度差を感じる。アクションプランが絵に描いた餅にならないようにしなければ」と話す。
 町づくり面では、園田市長が目玉事業の一つに掲げるサッカーJ2、V・ファーレン長崎の新練習拠点誘致の行方も焦点となる。市は6月、市総合運動公園(黒丸町)での構想を打ち出した。V長崎の親会社、ジャパネットホールディングス(佐世保市)側は21年までのクラブハウス完成を目指しており、園田市長は当初、7月中には一定の方針を出したい意向だったが、具体的な整備内容はまだ明らかにされていない。
 大村市は同公園でのサッカー場整備を予定より前倒しできないか検討に入っており、事業の可否を含め12月までに判断したい考えだ。ただ、資金面や計画内容を巡っては不安の声も根強い。市議の一人は「市がV長崎の手伝いをすることはあっても、整備費やランニングコストなどを丸抱えで支援することはあり得ない」とくぎを刺す。
 課題はこれらばかりではない。総事業費約100億円を見込む新市庁舎の建設、県立ろう学校跡地一帯での新幹線新駅の周辺整備事業-。今後4年間で、町の姿を変える大型事業が続く。園田市長が掲げる「オール大村」の下、市の未来像をどのように市民に示し、いかに協力や理解を得ていくのか。2期目のかじ取りが注目される。