フェルスタッペン、イエローフラッグ無視でポールポジションを失う。3グリッド降格で2列目からのスタートに:F1メキシコGP

 レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、2019年F1第18戦メキシコGP予選でトップタイムをマークしたが、最後のアタックラップでイエローフラッグを無視し、十分な減速を行わなかったと判断され、3グリッド降格のペナルティを科された。その結果、フェルスタッペンはポールポジションを失った。

 予選Q3終了間際にターン17でバルテリ・ボッタスがクラッシュ、これによりイエローフラッグが掲示されたため、各車は最後のアタックを諦めて減速しなければならなかった。

 しかし1回目のランで暫定ポールとなっていたフェルスタッペンは、自己ベストタイムを更新、ポールポジションを確保した。フェルスタッペンは最後のラップのセクター3でタイムを更新したが、オンボードカメラの映像でイエローフラッグの掲示を受けていることは明白だった。さらにフェルスタッペン本人が、予選後記者会見において、クラッシュが起きたことは知っていたが減速しなかったと発言した。

2019年F1第18戦メキシコGP ポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。後に降格処分に

 これを受け、スチュワードはフェルスタッペンとチーム代表者を召喚し、調査を行った。その結果、スチュワードは、「ドライバーは意味あるラップタイムを記録しようと試み、該当するマーシャリングセクターでスピードを落とさなかったことが明らかである」と判断、FIA国際スポーツ規則・付則H項第2.4.5.1bに違反したとの裁定を下した。

 スチュワードのレポートによると、フェルスタッペンは、ボッタスのクラッシュは知っていたが、イエローフラッグの振動には気付かなかったと発言したということだ。一方で、イエローセクターで減速しなかったことも認めている。

 スチュワードは、オンボード映像から、フェルスタッペンはイエローフラッグ振動がはっきり見える状況だったとの見解を示し、前を走っていたセバスチャン・ベッテルは規則に従って大幅にペースを落としていたとも主張している。

 こうした判断に基づき、スチュワードはフェルスタッペンに3グリッド降格ペナルティおよびペナルティポイント2を科した。

 これによりフェルスタッペンは4番グリッドからのスタートになる見込みだ。暫定2番手だったフェラーリのシャルル・ルクレールがポールポジションにつき、3番手だったセバスチャン・ベッテルが2番グリッドに繰り上がり、フェラーリがフロントロウに並ぶことになる。

 フェルスタッペンにとって、今回のポールポジションは、自身にとってもチームにとっても、第12戦ハンガリーに続く今季2回目の快挙となるはずだった。

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