「かんころカレー」開発 五島の特産品使用

干したサツマイモ「かんころ」を使ったカレーやパイの開発に携わった生徒ら=五島市吉久木町、「ごと」

 五島産品を使った食品の製造やカフェなどを手掛ける企業「ごと」(長崎県五島市吉久木町)が、県立五島海陽高の生徒と共同で、薄切りのサツマイモをゆでて干した島の特産品「かんころ」を使ったレトルトカレーを開発した。ごろごろと入ったかんころの甘みや香りが特徴で、辛さは控えめ。来春の本格販売に向け、19日には県庁で試作品の販売と試食アンケートを実施する。
 特産品の付加価値を高めるため、同校生徒が食品業者や県と連携して新たな食べ方を提案する「ミライカンコロプロジェクト」の一環。同社は単独で「かんころを使ったカレー」の商品開発に取り組んでいたが、県五島振興局が両者をマッチングした。
 開発したカレーは、同社の人気商品「五島の鯛(たい)で出汁(だし)をとったなんにでもあうカレー」がベースで、具材はかんころのみ。今年7月以降、同社の担当者が学校に出向き、生活総合系列の2年生が試作品の試食を重ねた。「辛さを少し抑えた方がいい」「かんころのサイズを小さくした方が食べやすい」など、生徒が出した意見も取り入れられている。
 試作品は19日午前11時~午後3時、生徒が県庁1階ロビーで販売する。1個320円(税込み)で50個限定。12月には修学旅行先の大阪市でも販売する。同社は試食アンケートの結果などを踏まえて改良し、来春には店舗で販売を始める予定。2年の梶山夏海さん(17)は「子どもでも食べられるよう甘口。家族で楽しく食べてほしい」と話している。
 同プロジェクトではカレーのほか、昨年度の3年生が授業で開発した「かんころパイ」のレシピを、部活動の総合文化部員が引き継ぎ、今年に入って同社と共同で商品化。「かんころ餅パイ」(税込み420円)として同社カフェで提供している。

かんころカレー

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