【プレミア12】4番鈴木が圧倒的存在感、投手陣も安定… 侍Jここまで投打個人成績は?

侍ジャパンの広島・鈴木誠也【写真:荒川祐史】

4番の鈴木を中心に「上位、中軸、下位」どこでも力を発揮する強打者が揃う

 11月2日(日本時間3日)に開幕した「第2回 WBSC プレミア12」も残すところ2日。野球日本代表「侍ジャパン」はオープニングラウンド3勝、スーパーラウンドは現在まで3勝1敗(1勝はオープニングラウンドの数字を持ち越し)でここまできている。

 過去6試合の選手の通算成績を見ていこう。数字は11月13日時点。

○野手陣(安打数順)

外・鈴木誠也(広)21打10安3本11点2盗3四 打率.476
内・浅村栄斗(楽)17打6安0本4点0盗3四 打率.353
内・菊池涼介(広)19打6安0本2点0盗1四 打率.316
内・坂本勇人(巨)20打6安0本1点1盗0四 打率.300
外・近藤健介(日)17打4安0本2点0盗9四 打率.235
外・丸佳浩(巨)20打3安0本2点0盗4四 打率.150
内・松田宣浩(ソ)20打3安0本0点0盗0四 打率.150
捕・會澤翼(広)11打2安0本0点0盗3四 打率.182
内・源田壮亮(西)5打2安0本4点0盗0四 打率.400
内・外崎修汰(西)7打2安0本0点0盗2四 打率.286
外・吉田正尚(オ)15打2安0本1点0盗1四 打率.133
内・山田哲人(ヤ)14打1安0本1点0盗4四 打率.071
捕・甲斐拓也(ソ)5打0安0本0点0盗0四 打率.000
捕・小林誠司(巨)2打0安0本0点0盗1四 打率.000
外・周東佑京(ソ)0打0安0本0点4盗0四 打率.000

 今回の侍ジャパンの特色は中軸を任せることができる上に、走力もある選手が多いことだ。鈴木は全チームを通じて打率、本塁打、打点1位。現時点では3冠王だが、その周囲を浅村、坂本、近藤、丸、松田、外崎、吉田、山田など「上位、中軸、下位」どこでも力を発揮する強打者が取り巻いているのが強みだ。

 稲葉監督は相手投手や選手の調子に合わせて自由にオーダーが組める。そのうえで、守備のスペシャリストでつなぐ打撃の名手である源田や菊池、3人の捕手などを適宜配している。さらに「足の秘密兵器」周東が最後に控えるという布陣だ。打線を固定しなくても機能するので、稲葉監督の采配の自由度は高い。

ここまで先発の3人はまずまず安定、救援陣も大きな破綻なし

○投手陣(投球イニング数順)

先・高橋礼(ソ)1勝1敗0セーブ 10回 3四5奪三振 0本 防御率1.80
先・今永昇太(De)1勝0敗0セーブ 9回 1四12奪三振 1本 防御率1.00
先・山口俊(巨)0勝0敗0セーブ 8回 2四10奪三振 0本 防御率3.38
救・甲斐野央(ソ)2勝0敗0セーブ 4回 1四6奪三振 0本 防御率0.00
救・大野雄大(中)1勝0敗0セーブ 4回 0四6奪三振 1本 防御率2.25
救・山本由伸(オ)0勝0敗0セーブ 4回 0四4奪三振 0本 防御率2.25
救・山崎康晃(De)0勝0敗2セーブ 4回 0四6奪三振 0本 防御率0.00
救・岸孝之(楽)0勝0敗0セーブ 3回 0四1奪三振 0本 防御率0.00
救・山岡泰輔(オ)0勝0敗0セーブ 3回 0四3奪三振 0本 防御率12.00
救・中川皓太(巨)0勝0敗0セーブ 2回1/3 1四2奪三振 0本 防御率0.00
救・大竹寛(巨)0勝0敗0セーブ 1回 0四1奪三振 0本 防御率0.00
救・田口麗斗(巨)0勝0敗0セーブ 1回 0四1奪三振 0本 防御率0.00
救・嘉弥真新也(ソ)0勝0敗0セーブ 0回2/3 0四1奪三振 0本 防御率0.00

 先発の3人がまずまずの防御率で安定。3人共にペナントレースの調子を維持している。前回大会の大谷翔平のような「絶対的なエース」はいないが、計算が立つのが強みだ。この顔ぶれに加え、岸も先発の可能性があると言われる。

 その前提があっての救援投手陣だが、短期決戦では一度救援に失敗した投手は使いにくくなる。現時点で、防御率が良くないのはオリックスの山岡だけ。他の救援陣は大きな破綻なく役割を果たしている。残り2試合で、これだけ多くの「手札」を持っているのは大きなメリットだろう。

 16日の韓国戦は、両国ともに「総力戦」となるはずだ。緊張感のある試合を経て一体感が増している侍ジャパンには、好勝負を期待したい。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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