GRTが支援するGEARレーシング、女性ドライバーのレッグとニールセンを起用しIMSA GTD参戦へ

 GEARレーシングは、ランボルギーニのGT3プログラムを担うセミワークスチーム、GRTグラッサー・レーシング・チームのサポートを受けて2020年シーズンのIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTデイトナ(GTD)クラスにエントリーする。

 GEAR(Girl Empowerment Around Racing)は、モータースポーツにおける女性の才能を促進させることを目指す団体だ。

 そのため、今回明らかにされたエントリーにおいてもシリーズに参戦するドライバーは両名とも女性となっており、ひとりめは元インディカードライバーで、DTMドイツ・ツーリングカー選手権やフォーミュラEなどにも参戦したキャサリン・レッグに決定した。

 レッグのチームメイトとして、全12ラウンドで19号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evoをシェアするのは2016年と翌2017年にスクーデリア・コルサのフェラーリ488 GT3を駆り、2年連続でIMSA GTDクラスのシリーズチャンピオンに輝いたクリスティーナ・ニールセンだ。

 そんなGEARレーシングをサポートするGRTについてSportscar365は最近、2017年のブランパンGTシリーズチャンピオンチームが欧州GTシリーズから退き、北米のスポーツカーシリーズに活動の場を移すと報じていた。

 2018年からデイトナ24時間レースでGTDクラス2連覇を果たしているランボルギーニ・セミワークスであるGRTは、GEARレーシングのエンジニアリングとレース運営の両方をサポートするかたちで2020年のデイトナに挑むことになる。

 なお、過去2年はシリーズ開幕戦にしてハイライトとなるデイトナを含む数戦へのスポット参戦に留まっていたGRTだが、2020年は初めてフルシーズン・エントリーを行う予定だ。

「我々グラッサー・レーシング・チームは2020年のIMSAシリーズにおいて、GEARレーシングとともに19号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evoを走らせることができることをうれしく思っている」と語るのは、GRTのゴットフリート・グラッサー代表。

「また、クリスティーナ・ニールセンとキャサリン・レッグのために、ランボルギーニの新しいウラカンGT3 Evoを準備することを光栄に思うよ」

「我々は2020年のチャンピオンシップでの多くの勝利を掴むために戦うことを楽しみにしており、シリーズのハイライトイベントである、1月の“ロレックス・デイトナ24”で新しいシーズンを始めるのが待ちきれないんだ」

 このコメントに、GT3カテゴリーの強豪チームとタッグを組むことになったGEARのグローバル・ブランドディレクターを務めるカラ・ケニーは次のように付け加えている。

2019年のデイトナ24時間レースでGTDクラスウイナーとなったGRTグラッサー・レーシング・チームの11号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo

「私たちの使命は、すべての女性たちがレースや人生において強く、賢く、大胆であることを推奨することです」

「チームにキャサリンとクリスティーナが加わったことに興奮しています。また、グラッサー以上に優れたレーシングパートナーを見つけることはできなかったでしょう」

 ともに実力派ドライバーとして知られるレッグとニールセンは2019年シーズン、ハインリチァー・レーシングのバナーの下でマイヤー・シャンク・レーシングが走らせる57号車アキュラNSX GT3 EvoをドライブしてIMSAのGTDクラスに参戦した。

 搭乗するドライバーを全員女性とした57号車組の最高位クラス4位。最終的なシリーズランキングは9位となった。なお、ハインリチァー・レーシングの活動はキャタピラー社の支援を受け、当初2年間続くものと考えらていた。しかし、2020年シーズンに向けた状況については現時点で明らかになっていない。

 一方、GEARレーシングは今後数週間以内にミシュラン・エンデュランスカップで起用する第3ドライバーをアナウンスする予定だ。

GEARレーシングの19号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evoで2020年のGTDクラスを戦うクリスティーナ・ニールセン
ハインリチァー・レーシング・LLC・ウィズ・マイヤー・シャンク・レーシングの57号車アキュラNSX GT3 Evo

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