KeePerキャシディ「テクニックを見せつけることができ完璧な1日」/特別交流戦レース1 トップ3会見

 11月23日に行われた『AUTOBACS 45th Anniversary presents SUPER GT X DTM 特別交流戦』の決勝レース1を終え、優勝を飾ったニック・キャシディ(KeePer TOM’S LC500)、2位の塚越広大(KEIHIN NSX-GT)、3位の山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)がトップ3会見に臨み、レースを振り返るとともに特別交流戦の印象を語った。

■ニック・キャシディ(KeePer TOM’S LC500/LEXUS TEAM KeePer TOM’S)レース1 優勝

「今は最高な気分だ。僕自身にとっては完璧な1日だった。コンディションがつねに変わるなかで、自分のテクニックをいろいろな状況で見せつけることができたから満足している」

「予選はそれほど路面が濡れていなかったから、ラッキーなことにグリップを掴めたところはある。レースではバトルをする機会がなかったからはっきりとは分からないけれど、フルウエットになっていたらDTM勢はもっと強かったと思うよ」

「同じウエットでもホッケンハイムのときとは違っていた。ドライでの走行については、(ドライだった木曜テストセッション2でDTM最上位だった)ロイック・デュバル(BMC Airfilter Audi RS5 DTM)とラップタイムを比較するとコンマ5秒は離されていたから、今日は気候が合っていたんだと思う」

「交流戦初戦で優勝することができてうれしい。そして、それ以上にこの夢が実現されたことも僕たちにとってはうれしいことだ。この週末ようやくスーパーGTとDTMのふたつのチャンピオンシップを戦うマシンが日本で一緒に走ったんだ」

「将来に向けてどんどんこういった機会が増えモータースポーツがもっと楽しくなることを願っている。一緒にレースを戦うことで互いのタイムも近づくだろうし、バトルも増えるだろうしね」

「個人的にはこのレースウイークを楽しんでいるよ。DTMのレースもふだんからチェックしているんだ。ヨーロッパでF3を走っていた時、DTMにステップする可能性があったし、素晴らしいドライバーとマニュファクチャラーが揃っているから、このように一緒に走ることができてうれしいよ」

「(スーパーGTと違い)予選と決勝が1日で行われること、ひとりのドライバーで走りきることなど、フォーマットがいつもと違って僕自身はすごく楽しませてもらった」

スーパーGT×DTM特別交流戦 決勝レース1でトップでフィニッシュしたニック・キャシディ

■塚越広大(KEIHIN NSX-GT/KEIHIN REAL RACING)レース1 2位

「今日の予選は雨で、最初のアタックでタイムを出さないと難しいと思いましたが、他車との間隔的にいいポジションではなかったため、少し失敗したというか。ポジション取りが悪い状態のアタックで6番手を獲得しました」

「決勝は前の方でスタートできたので、(勝つ)可能性はあるのかなと思っていました。スタート前、コンディションがすごく微妙な状況で、タイヤも(ドライとウエット)どちらを使うのか、クルマのセッティングも含めて非常にエンジニアとチームと迷いましたね。セッティングは中間にし、覚悟を決めてタイヤを選び、レースに臨みました」

「スタートから、ポジションを少しずつ上げ、序盤に2番手まで行くことができましたが、そこからニック(キャシディ)との差をなかなか詰めることができませんでした。(タイヤは)1セット目で勉強したことを2セット目で応用しました」

「セーフティカー明けのインディスタートは、事前の練習ですごく難しく感じていたので緊張しましたが、2番手をキープすることができました。最後ニックをパスしようと攻めましたけど届きませんでした。(DTMとの交流戦)最初のレースは、僕たちにとっていいレースだったと思います」

「コンディション次第では、DTM勢の方がいいパフォーマンスを発揮することもあります。今日のレースもロイック(デュバル)があのまま(予選2番手で)レースを戦っていたら違う展開になったでしょうね。結果的にブノワ(トレルイエ)選手もポジションを上げてきましたから」

「日本で活躍したドライバーであれば富士スピードウェイのポイントを抑えていますから、スーパーGT勢に優位性があったのではとも思います。明日は今回の結果を踏まえ(DTM勢が)アジャストしてくると思うので油断はできません」

「表彰台で、僕がF1に憧れていた時代に走っていたゲルハルト・ベルガー“選手”、僕にとっては“選手”、その人からトロフィーを貰うことができ、うれしかった。この交流戦が続けば、どんどん差も縮まるし、僕たちも海外に行って戦ってみたいです。今後、交流が深まればうれしいなと思います」

■山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT/TEAM KUNIMITSU)レース1 3位

「まず、GTAとDTMのみなさん、今回交流戦を開催することは大変だったと思いますが、このような素晴らしい機会を作ってもらって非常に感謝しています。これからもこういう交流が増えて、いい戦いを世界に向けて発信できることが望ましいと思うので、みなさんで一緒に頑張っていきましょう」

「今回の交流戦で、日本勢としてはリベンジができたのかなと思います。僕はホッケンハイムに行っていませんが、正直みんな悔しい思いをしてここまで過ごしてきたと思います。今日優勝したのがニックで、塚越選手も2位。僕は3位でしたが、DTM勢に対して日本の意地を見せられたのかなと思うと、まずはよかったです」

「お互いプライドをかけて臨んでいるレースなので、戦う姿というのはファンのみなさんも、関係者も楽しめたのかなと思います。昨日までの感触でいくとクルマはよくなかったのですが、最終的には3位表彰台を獲得することができてよかったです。明日に向けてセットアップを考えて、またいい走りをしたいですね」

「ロイック・デュバルとバトルをしたかったですが、レコノサンスラップで彼がクラッシュしてしまい、戦えなかったことは残念でした。富士スピードウェイは路面のミューが高いので、ドライだと僕たちにアドバンテージがあった一方でDTM勢は苦戦しているように見えました」

「ウエットコンディションではDTM勢が上位に来ていたりするので、低ミューでのバランスが合っているのだと思います」

「改めて思ったのはスーパーGTのレースは楽しいということ。交流戦やDTMのスタイルを否定しているわけではありませんよ。スーパーGTは300クラスと混走しながらのバトルがあり、タイヤも各メーカーがしのぎを削っているので、展開が変わりやすい、動きが多いというのが面白さだし、それを痛感しました」

「腕の差は影響するものの、同じものを使っているとレース展開が大きく動きにくいというのは良さでもあるし、(レースの)魅力が少なく感じてしまう部分でもありますね」

塚越広大(左)、ニック・キャシディ(中)、山本尚貴(右)/スーパーGT×DTM特別交流戦 レース1

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