「分かりやすく伝えたい」 大学生と永遠の会 被爆体験聞き取り

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三重さん(左)の被爆体験に聞き入る山口さん(中央)と大塚さん=長崎市、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

 長崎県長崎市平野町の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館で25日、被爆体験記朗読ボランティア「被爆体験を語り継ぐ 永遠(とわ)の会」の大塚久子代表(61)と長崎大多文化社会学部2年の山口稔由さん(20)が、被爆者の三重邦子さん(83)に対し体験の聞き取りをした。
 同館は4月、約2万7千人の被爆者健康手帳所持者に被爆体験記を募る文書を送った。応募者からは体験を聞き取ってもらう「執筆補助」の申し込みが多かったため、執筆補助を務めるボランティアを募集。大学生7人と永遠の会の有志7人が2人一組のペアとなり聞き取る仕組みを作った。大学生は聞き取った話をまとめ、出来上がった体験記は永遠の会が朗読する予定。
 三重さんは9歳の時、爆心地から3.4キロの中川町で被爆。兄は当時、長崎医科大に通っており学校で被爆して翌日帰宅したが、約1週間後に亡くなった。兄の遺体を荼毘(だび)に付した母は、仏壇に兄の遺影を飾っていなかった。母は原爆の話を全くしなかったと言い「子どもを荼毘に付したつらい経験を思い出したくなかったのだろう」と語った。
 大塚さんは「被爆者が五感で感じたものは体験記からはなかなか読み取れない。直接聞く機会は大事だと思う」、山口さんは「被爆体験を分かりやすくして、戦争を知らない子どもたちにも伝えたい」と話した。