FIM世界耐久選手権(EWC)は28日、イタリアのバイクメーカーであるドゥカティが12月14日にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで開催されるEWC第2戦セパン8時間からマニュファクチャラーとして参戦することを発表。EWCの古参チーム、チームERCエンデュランスをドゥカティがワークスサポートするという。
チームERCエンデュランスは、2002年から耐久レースに参戦しており、EWCには2013年からエントリーしている。2018-2019シーズンはBMW S1000RRを使用して参戦。2019-2020シーズンもBMWのマシンでエントリーし開幕戦のボルドール24時間を戦い、3位でフィニッシュするが、レース後の車検で燃料タンクの容量に関する規定を厳守していないことが分かり失格となっている。
そんなチームERCエンデュランスは、第2戦セパン8時間からBMWに代わり、今シーズンからホモロゲーションを受け使用できることになったドゥカティのパニガーレV4 Rにスイッチすることになった。チームERCエンデュランスのチームマネージャー、ウーヴェ・レインハルドは「ブランドに対する私の情熱と、個人的にドゥカティをコレクションしていることが、ドゥカティとのパートナーシップを始めることを決めたちょっとしたきっかけになった」とドゥカティにスイッチした理由を次のように説明する。
「本当に決め手となったのは、彼らが速くて効率的で、即座に固い決意を見せてくれたこと、そしてシーズンを通して彼らがサポートしてくれる内容にあった」
「セパンのレースまでに準備を整えるのは大変なチャレンジになることはもちろんだが、プレッシャーは感じていない。レース環境でのトライアル走行のような感じになる。ル・マン同様、我々の唯一のゴールは、24時間を走り切ってフィニッシュラインを超えることだ」
また、ドゥカティはチームERCエンデュランスと技術面で深く関わりを持つことになる。「ファクトリーは、記録的な速さでパーツを開発し、スーパーバイクチームと密接な連携のもと、耐久レースに特化した開発セクションを立ち上げた」とチーム関係者は明かした。
ドゥカティ・コルセのスポーティングディレクター、パオロ・チャバッティもドゥカティの関わりについてコメントしている。
「チームERCエンデュランスはドゥカティの支援を受け、ドゥカティ・コルセの電子系エンジニアが各レースに帯同する。メカニック達はワールドスーパーバイクの技術スペックを使用し、チームERCのメカニックたちはドゥカティ・コルセのワークショップで我々のエンジニアからの支援を受けながら準備を行う」
なお、11月17日に発表された暫定エントリーリストによると、マシュー・ギネス、ジュリアン・ダ・コスタ、ルイス・ロッシの3人が出場する予定だったが、同チームのライダーラインアップは後日改めて発表されるようだ。