「カレンダーには常に、特定のチームのマシンにとって相性が良く、他チームのマシンよりも適切なセットアップを見つけやすいサーキットがある。 ここはメルセデスに向いているコースであり、逆に私たちにとっては、最後のセクターは少しトリッキーだった」
これはF1最終戦アブダビGPの予選で、メルセデス勢2台に次ぐ3番手を獲得したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンのコメントだ。
ポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデス)のタイムは1分34秒779。これに対して、フェルスタッペンのタイムは1分35秒139。その差は0.36秒。だが、セクター1のふたりのベストは、ハミルトンが16.903秒(全体3位)で、フェルスタッペンも16.967秒(全体5位)と肉薄していた。
ふたりのタイムはセクター2でも接近しており、ハミルトンは40.561秒(同3位)で、フェルスタッペンは40.648秒(同4位)だった。セクター2までの区間ベストのタイム差は0.151秒だった。
その差が一気に広がったのが、セクター3だ。ここでハミルトンは区間全体トップとなる37.235秒をマーク。これに対して、フェルスタッペンもメルセデス勢以外ではトップとなる37.349秒(同3位)の走りを見せたものの、セクター3だけで0.114秒離されてしまった。
セクター3にはターン11から21まで11個のコーナーがあり、そのほとんどが低速コーナーだ。今年のメルセデスはその速度域のコーナーが強く、そのことは市街地コースのモナコGPでハミルトンがポール・トゥ・ウィンしていることからもわかる。
さらにフェルスタッペンが自己ベストとなる1分35秒139をマークしたときのラップは、セクター2のタイムが自分の区間ベストより0.175秒も遅かったことも、ハミルトンとの差がさらに広がる要因となった。
つまり、フェルスタッペンが言うように、最終セクターをまとめることも難しかったが、それを考えるあまり、すべてのセクターをまとめることを難しくしてしまったようだ。
レース本番は、日曜日。しかも、予選2番手のバルテリ・ボッタスは、パワーユニット交換によるペナルティのため、最後尾スタートとなり、フェルスタッペンはフロントロウから。
チームメイトのアレクサンダー・アルボンも好走したブラジルGPと同じ5番手からスタートする。メルセデスが得意なコースで、2020年シーズンにつながるいいレースを、レッドブル・ホンダの2台に期待したい。