DeNA関根、メキシコWLで打率3割超え 学んだことは「自分がどう準備するか」

ヤキス・デ・オブレゴンでプレーしているDeNA・関根大気【写真:福岡吉央】

30日のベナードス戦で4打数2安打とし、打率.301に

 メキシコのウインターリーグに参加し、ヤキス・デ・オブレゴンでプレーしている横浜DeNAベイスターズの関根大気外野手が10月29日(日本時間10月30日)、ホームで行われたベナードス・デ・マサトラン戦に「1番・中堅」でフル出場し、4打数2安打2打点の活躍で打率をリーグ15位の.301とし、3割の大台に乗せた。チームは10-2で勝利。後期リーグ2勝3敗で7位タイに浮上した。

「カード毎に少しずつ上げていけたらなと思ってやっていたので、その中で打率が上がってきたことはよかった。ただ、ヒットにできる球を打ち損じている打席もあるので、しっかりできていたらもっと早い段階で3割に到達できていた。まだまだ修正していかないといけないところもあると思っています」

 この日は0-2で迎えた5回無死満塁のチャンスで左前適時打を放つと、7-2で迎えた8回無死一、二塁のチャンスでも右前適時打。2度ホームも踏み、リーグ3位タイの30得点。盗塁も同2位タイの13盗塁、出塁率も同10位タイの.392と着実に個人成績も上昇している。

「自分が到達したい数字というのはあるし、その中で徐々に上がってきていることはプラスに考えたい。ただ、チームが勝たないと意味がない。勝つことで心もリフレッシュできているので、勝つためにいろんな数字を上げていきたい。出塁率もまだまだ上げられると思っていますし、やるべきことをやって上げていきたい」

 各チームとの対戦も2回り目に入り、頻繁にセーフティーバントを試みる関根に対して、相手守備陣の警戒心も強まるばかり。関根が打席に入ると、どのチームも一、三塁手が定位置よりもかなり前方で守るため、内野の間を抜けてヒットになる打球が日に日に増えている。

「球団に恩返しできるように、しっかり結果を残したい」

「転がしたら(内野の間を)早く抜けてくれますし、ヒットゾーンが広がっている。すごく警戒されている分、ゴロやライナーが抜けやすくなっているので、そこはうまく生かしたいなと思っています」。内野の守備位置を確認した上で、どういうバッティングがより効果的かを意識しており、それが打率上昇にもつながっている。

 し烈な外国人争いに勝ってつかんだ打率3割到達でもあった。同リーグでは前期は外国人枠は8人だが、後期は2人減って6人となる。元メジャー組も含め、先発投手やセットアッパー、クリーンアップを打つ強打者らが助っ人として名を連ねる中、「(6人枠に)ギリギリ残れるか残れないか」と話していた関根だが、後期リーグでも俊足を生かして1番打者として結果を積み重ね、定位置を死守している。

 この日の相手は、同じDeNAでプレーする濱矢廣大投手が所属するマサトラン。濱矢は現在、調整のため出場選手登録を外れており、遠征には帯同せず。約1カ月ぶりの再会はならなかったが、関根は「濱矢さんとは(メキシコでは)もう会えないので残念だが、お互い結果を残して日本に帰れるように頑張りたい。こうやって球団がいろいろ手配してくれたことでメキシコでプレーできているので、球団に恩返しできるように、しっかり結果を残したい」と、感謝の言葉を口にする。

 メキシコでのプレーは残り約1か月。今後も初対戦となる投手との対戦が続くが、「こっちで学んだことは、自分がどう準備するかということ。素振り、スイングがうまくいっている時は数字も出ていますし、自分の中の準備をしっかりやり切って試合を迎えたら、知らない投手でも対応できるかなという感覚にはなってきている」と、手応えを口にする関根。「これからもカード毎に数字を上げていって、次は.315を越えられるように頑張りたい」と、異国の地でさらなる飛躍を目指していく。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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