長崎県佐世保市の市立小中学校で導入している学校2学期制について、朝長則男・佐世保市長は5日、「新しい3学期制について検討を進めるべきだ」と述べ、3学期制への変更の検討を求める意向を示した。佐世保市教委は早ければ1月にも学期制の方針について結論を出す見込み。
佐世保市では、2006年度から全ての市立小中学校で2学期制を導入。1年間を前期(4月~10月第2月曜)と後期(10月第2月曜の翌日から3月)に分けている。長崎県内では大村市も全校で導入しているが、来年度から3学期制に戻す。
佐世保市役所で5日開かれた総合教育会議で朝長市長は、2学期制を導入する自治体が佐世保市だけになることが見込まれる中、教員と子どもが転勤や転居で別の市町に移った場合の影響を指摘。「2学期制が広がらなかったのは決定的なプラスの要因がなかったからではないか」とした上で、「教育の形は一律のほうがいいと思う。(2学期制のメリットを生かした)新しい3学期制について検討を進めるべきだ」とした。
教育委員からは、2学期制を丁寧に検証した上での3学期制への移行を求める声や、新学習指導要領など教育が変化する時期に学期制を変えることへの不安を示す意見も出た。
2学期制を巡っては、佐世保市教委は昨年、市教委が望ましい学期制の在り方を「市学校学期制検討委員会」に諮問。検討委は8月、子どもと向き合う時間の増加など一定の効果をもたらした一方、全国学力テストで全国平均を下回る状況が続くなど、当初の狙いだった学力向上の効果は立証できなかったとして、継続の有無を明確にせず答申をしていた。