中嶋一貴「ハンディを考えれば上出来」トヨタ、タイヤ温存も2列目確保/WECバーレーン予選

 12月13日、WEC世界耐久選手権第4戦バーレーンの公式予選が、バーレーン・インターナショナル・サーキットで行われ、LMP1クラスに参戦しているTOYOTA GAZOO Racingは8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー組)が総合3番手、チームメイトの7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)が総合4番手につけた。

 2019年最後のレースとなるバーレーン8時間をランキング1位、2位で迎えたトヨタ。前戦上海と比べるとややサクセス・ハンディキャップの量が減らされたものの、依然としてラップあたり最大2.5秒以上のハンディを受けるトヨタTS050ハイブリッドは、13日の日中に行われたフリープラクティスで8号車がトップタイムを記録。夕方の予選にも期待がかかった。
 
 しかし、ナイトセッションとして実施された公式予選では、ライバルであるレベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13・ギブソンと、チームLNTが走らせる5号車ジネッタG60-LT-P1・AERが速さをみせる。
 
 トヨタの2台はコース上の混雑を避けるため、やや遅れてタイムアタックを開始。ハートレー駆る8号車が暫定2番手、コンウェイの7号車が暫定3番手につけた。
 
 WECの予選はふたりのドライバーの平均ラップタイムでグリッドを決定する。そのためセッション中に必ず1回はピットに戻りドライバーを交代することになるが、トヨタ勢は上海戦と同様に新品タイヤを温存する戦略を採用。そのなかで8号車のステアリングを受け継いだ一貴が総合3番手グリッドを獲得すると、7号車のロペスも、不運に見舞われながらもセカンドロウを確保する総合4番手を得ている。

「自分のアタックラップにはとても満足している」と語るのは、トヨタ勢最速、全体でも3番手となる1分42秒986というタイムを記録したハートレーだ。

「この週末の初めから、限られたハイブリッド・ブーストの最適化を行ってきた。TS050ハイブリッドから最大限のパフォーマンスを引き出すために従来とは違うことにもチャレンジし、それもうまくいっているんだ」

「僕たちのクルマはとても好調だし、ここまで接戦になったことに驚いている。明日は良い気分で上位争いができると思うよ」

 マシンをシェアする一貴は「3番手グリッドというのは予想以上に良いポジションです。ハンディキャップを考えれば上出来で、我々はTS050ハイブリッドの性能を引き出せたと思います」とコメント。

「今日の結果で、決勝レースへ向けての自信も持てました。もちろん、ライバルがとても速いことは分かっていますが、8時間と長いレースですし、落ち着いて最後まで全力を尽くすことが重要です」

■「本来なら7号車の方が速いはずなのに……」

TOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッド

 一方、よりハンディキャップが重い8号車の後塵を拝した7号車のコンウェイは「1コーナーと8コーナーでタイムをロスしたため、残念な予選になってしまった」と自らの走りを振りかえった。

 また、僚友のロペスも自身に降り掛かった不運について次のように語っている。

「サクセス・ハンディキャップによって予選が難しくなることは予想していた。ただ、我々はチームメイトよりハンディキャップが軽いため、本来なら僕たちの方が速いタイムを刻めるはずだったが、後れを取ってしまった」

「僕自身、序盤は良かったのだけど、8コーナーでLMP2車両がコースオフを喫したことによりコース上に砂が出ていたこともあり、コンマ3、4秒ほどタイムをロスした」

「これによって3番手グリッド獲得のチャンスを失ってしまったんだ。とはいえ予選でのグリッドはさほど重要ではない。明日は上位を目指すよ」

 2019/2020年シーズンの折り返しであると同時に、2019年のラストレースとなるWEC第4戦バーレーンは、14日15時(日本時間21時)に8時間の決勝レースがスタートする。

チームメイトの走りを見つめる小林可夢偉
TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド
8号車トヨタTS050ハイブリッドのアタックを担当したブレンドン・ハートレー
予選で総合3、4番手を獲得した2台のトヨタTS050ハイブリッド

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