「1社にだけ公金支出は不公平」2社運航の新上五島  競合会社が町の検査費補助に反発

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鯛ノ浦港を出港する「びっぐあーす」=2018年11月、新上五島町

 五島産業汽船(新上五島町)が鯛ノ浦(同町)-長崎間で運航する、町所有の高速船「びっぐあーす」の定期検査費用1億7千万円を町が全額補助することに、競合する九州商船(長崎市)が反発している。

 九商によると、同社が運航する有川(同町)-長崎航路は年間で約2億円の赤字という。同社幹部は「1社にだけ公金を支出するのは不公平。訴訟も検討している」と述べた。
 九商は、有川-長崎航路で自前の高速船2隻を3往復6便運航。五島産業汽船も同じく、自前の高速船と合わせ2隻体制で鯛ノ浦航路を3往復6便運航させている。
 五島産業汽船は、同名旧会社が昨秋経営破綻。元社員らが新会社を立ち上げ、町は「びっぐあーす」を無償貸与。町によると、5年に1回ある検査費を捻出できる収益が見込めないという。補正予算案を11日の町議会本会議で原案通り全会一致で可決。国が70%を交付する過疎債を利用する。
 一方、九商は有川-佐世保航路で町所有の「びっぐあーす2号」の無償貸与を受け運航。この航路は単独の航路で、整備費や人件費などで赤字が出た場合、国の補助がある。
 町の担当者は「(今回の支出は)町所有船の維持に対する補助という考え。仮に佐世保航路に補助がなければ何らかの対応も検討する。九商には説明を続けていきたい」と述べた。