対馬・鰐浦で29.6メートル 最大瞬間風速 平戸では船が座礁

高波を受ける防波堤=27日午後5時24分、新上五島町有川港

 九州の西海上にある発達した低気圧に向かって暖かい空気が流れ込んだ影響で県内は27日、北部や離島を中心に強い風に見舞われた。長崎地方気象台によると、各地の最大瞬間風速は対馬市鰐浦で29.6メートルを観測したほか、北松小値賀町は29.3メートルと1月の観測史上最大を記録。平戸市では風と潮流の影響で貨物船が座礁した。
 同気象台は離島地区と平戸、松浦両市に暴風警報を発表。新上五島町頭ケ島で25.2メートル、同町有川で22.3メートル、西海市大瀬戸で18.5メートルを観測し、いずれも1月の観測史上の最高値を更新した。県災害警戒本部によると、けが人や建物の被害はなかった。
 平戸海上保安署によると、午前1時ごろ、風と潮流に流されたとみられる4人乗り貨物船(499トン、船籍岡山県)が平戸市黒子島北側の浅瀬に乗り上げた。船は自力で離礁したが、再び潮流に流され、午前2時20分ごろ平戸港内の浅瀬で座礁。その後、船は沖に流れ出ないようにロープなどで固定された。
 交通機関も乱れ、海の便は長崎と離島を結ぶ全ての便が欠航。空の便は離島路線を中心に長崎空港発着の計13便が欠航した。

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