MotoGP:クアルタラロが3日連続トップタイムでセパン公式テストを席巻。ヤマハはホールショットデバイスを投入

 2月9日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われているMotoGPの公式テストは3日目を迎え、最終日もファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)がトップタイムをマーク。クアルタラロは3日間とおしてトップタイムにつけ、セパン公式テストを制した。

 最終日も天候に恵まれ、ドライコンディションでテストがスタート。テスト終了時間である18時を迎える30分ほど前に雨粒が落ち始めたが、ほとんどの時間帯ではドライの路面状況でテストが行われた。

 この日はライダーの顔ぶれに少しばかり変化があり、KTMは初日、2日目と走行を行ってきたテストライダーのダニ・ペドロサに代わって、ミカ・カリオが走行。そしてヤマハのテストライダー、ホルヘ・ロレンソが登場した。ロレンソは3日目にして公式テストでは初めてコースイン。2019年型マシンでテストを行ったということで、46周を周回して1分59秒697を記録して20番手した。

公式テスト3日目に走行を行ったロレンソ

 3日間をとおしてトップタイムをマークし、総合でも1番手タイムでセパン公式テストを締めくくったクアルタラロは、2020年型マシンで走行。クアルタラロのコメントによれば、この日は路面温度が55度にまで上昇していたという。こうした状況下ででクアルタラロは12周のロングランを行い、「1分59秒後半から2分くらいで走れている。悪くないよ」と印象を語っている。

3日間総合トップのクアルタラロ。2019年型、2020年型どちらのマシンでもトップタイムをマーク

 レプソル・ホンダ・チームのマルク・マルケスは、クアルタラロから0.423秒差の12番手。2日目に続き、15コーナーで軽いクラッシュを喫した。セパン公式テストの3日間で次第に調子を取り戻してはいるものの、身体の状態はいまだ万全ではない。アタックでも「いつものレースウイークと同じじゃない」ということで、右肩の筋肉は60パーセントの状態だという。

マルク・マルケスは2日目に続き、3日目も転倒。右肩の状態がその要因にあったという

 2日目までにエアインテーク形状の異なるヤマハYZR-M1を走らせていたヤマハは、最終日の夕方にホールショットデバイスを登場させた。テスト後、取材に答えたロッシはこの新しい機能について「悪くはないよ。でも、実践投入する前にもう少し確認をする必要があるね」と語っている。

 スズキは最終日、昼過ぎには早々にテストを切り上げた。3番手につけたアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)によれば、今回のテストでは2、3種類のシャシーをテストしていたという。新しいシャシーは旧型に比べても違いは少ないそうだが、「ブレーキングでの安定性が増した」ということだ。

リンスは最終日、3番手タイムをマークした

 KTM、アプリリアもスズキ同様に早めにテストを終了。ドゥカティは17時ごろまで走行を実施した。

 MotoGPのセパン公式テストは全3日間を終え、1月22日から24日にカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで開幕前最後のテストを実施。その約2週間後、2020年シーズン開幕戦のカタールGPが始まる。

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