マーゴ獲得のレイズ 「外野2人シフト」の本格導入を検討か

パドレスとのトレードで俊足好守の外野手であるマニュエル・マーゴを獲得したレイズは、より効率的にアウトを取るために「外野2人シフト」の本格導入を検討しているようだ。ヒットが出ればサヨナラ負けという絶対絶命のピンチの場面などで使われることのある「外野2人シフト」だが、チームの戦術の1つとしてコンスタントに使うとなると球界で初めての試みとなる。オープナー戦術など、これまでにも革新的な戦術を生み出してきたレイズだが、再び球界に新たな風を吹き込むことになるのだろうか。

レイズは、先日のパドレスとのトレードでマーゴを獲得。マーゴは昨季メジャーの外野手で7位となるOAA(Outs Above Average)+11をマークし、直近3年間の合計+33は同9位の数字である。また、レイズには球界屈指の外野守備を誇る名手、ケビン・キアマイアーがおり、キアマイアーは昨季メジャー2位の+17、直近3年で同5位タイの+37を記録している。直近3年間で2人合計の+70は、ツインズのバイロン・バクストンとマックス・ケプラーの+65を上回り、外野手コンビとしてベストの数字となっている。

この2人のハイレベルな外野守備を活かすべく、レイズは「外野2人シフト」の本格導入を検討している。たとえば、両翼が狭く左中間と右中間が広い球場で試合を行う際に、キアマイアーとマーゴを左中間と右中間に置いたり、極端な打球傾向のある打者が打席に入る際に、打球傾向に合わせてキアマイアーをセンターに置いたまま、マーゴをレフトまたはライトに置いたり、といったケースが考えられる。ゴロ率の高い打者が打席に入る際に、「外野2人シフト」を敷いて内野手を5人にすることで、アウトを取る確率を高めることができるというわけだ。

もちろん、試合を通して「外野2人シフト」が採用されることはないだろう。しかし、レイズにはキアマイアーとマーゴのほかにも、ハンター・レンフローなど守備力の高い外野手がおり、球場の形状や打者の打球傾向に合わせて従来よりも高い頻度で「外野2人シフト」が敷かれる可能性は否定できない。レイズのこの試みが球界に新たな流れを生み出すか注目したい。

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