年収300万円の手取りはどれくらい?「年収300万円時代」の生活レベルを紹介

年収300万円という数字を日本の平均と照らし合わせると、どれくらいの生活レベルか気になる方も多いでしょう。近年は「年収300万円時代」といわれていますが、年収300万円の生活レベルはどれくらいで、実際の手取りや貯蓄額はどれくらいなのでしょうか。今回はその手取りや所得税、貯金や年金額などについて紹介します。

年収300万円の生活レベルについて

年収300万円というと、どのようなイメージを持ちますか? 低いと感じる人もいれば、自分は当てはまるという方もいることでしょう。実は、日本では年収が300万円代の世帯は多く存在するといわれており、家計を管理しながら日々の生活を送っている方が多いようです。

年収300万円の手取りはどれくらいで、所得税はいくら引かれるのでしょうか。また、貯金をする場合はどれくらい貯金することができ、結婚生活や住宅ローン、年金などの事情はどうなっているのか、それぞれ詳しく紹介します。

手取りはどれくらい?

まずは、年収300万円の場合の手取りについて紹介します。年収300万円の手取りは目安として230万~240万円、手取り月収は約20万円といわれています。会社員の場合は年収から社会保険料・所得税・住民税を引くことで求められますが、勤めている会社の雇用保険などで多少の違いはあるようです。会社員ではなく個人事業主の場合は、会社員よりも税負担が大きく、経費額によって手取り額が異なります。

参考

年収別 手取り金額 一覧 (年収100万円~年収1億円まで対応) | 千葉県船橋市、市川市、浦安市の税理士 西船橋駅徒歩2分の酒居会計事務所の税金ブログ

貯金はどれくらいできる?

年収300万円の場合、手取りはおよそ230万~240万円となりますが、貯金はいくらくらいできるのでしょうか。総務省統計局の「家計調査 貯蓄・負債編 二人以上の世帯」2019年7〜9月期のデータによると、世帯収入が250万~300万円の貯蓄額の平均が652万円、世帯年収が300万~350万円の貯蓄額の平均が936万円という結果となりました。「年収300万円では貯蓄は難しい」と考える方もいるかもしれませんが、無理のない範囲で貯金をすることは十分可能といえるでしょう。

もし毎月2万~3万円の貯金をしたとすると、年間で最大36万円貯金をすることが可能です。手取りを仮に20万円とすると、他の消費を17万~18万円以内に抑えることができれば、少しずつでも貯金に回すことが可能となります。貯蓄額の目安としては、収入の1~2割、すなわち2万~4万円が理想的といわれています。また、住宅費は3割を目安にすると自由に使えるお金として回すことができます。

参考

家計調査 貯蓄・負債編 二人以上の世帯8020 貯蓄・負債(年間収入階級別) | 統計表・グラフ表示 | 政府統計の総合窓口

「毎月いくら貯めてる?」「貯め方は?」新婚の貯蓄実態調査|ゼクシィ

年収300万円台の世帯の割合は全体の何%?

国税庁の「民間給与実態統計調査(平成30年)」によると、年収の平均は441万円という結果となりました。

1年を通じて勤務した給与所得者の年間の平均給与は441万円であり、前年に比べて2.0%増加した。これを男女別にみると、男性545万円、女性293万円で、前年に比べて、男性は2.5%の増加、女性は2.1%の増加となった。

(引用元:平成30年分民間給与実態統計調査結果について|国税庁)

また、年収別では、300万~400万円以下の世帯が全体の17.2%、200万~300万円の世帯が15.2%となり、年収が300万円台の世帯が全体で最も多いという結果となりました。

参考

平成 30 年分民間給与実態統計調査|国税庁

結婚について

日本では年収が300万円台の世帯が最も多いと前述しましたが、年収が300万円台でも結婚生活を送っている人は大勢います。しかし、その場合は住居費を少なくしたり、生活費を抑えるなど、家計をしっかりと管理することが重要になってきます。家計を管理することで貯金をすることも可能になり、さらに子供の教育費の積み立てもできるでしょう。

子供の人数によっては夫婦で共働きをするなど、協力して貯蓄をすることも一つの方法です。仮に、子供が高校に通うまでの15年間は毎月2万円、教育費を貯蓄できれば、年間24万円、15年間で360万円貯めることも可能になります。年収300万円台は、大きなぜいたくはできなくても、家族を養うことはできる生活レベルといえるでしょう。

住宅ローンについて

年収300万円で、マイホームを購入したいという方もいることでしょう。住宅ローンは毎月ローンを返済する必要があるため、生活費や貯蓄に影響がないか考えた上でローンを組む必要があります。住宅ローンを借りる場合、年間返済率は25%以内、つまり2,200万円以内で借りるのがベストといわれています。もしそれ以上の金額を借りる場合は、毎月の返済額が生活費を圧迫する可能性があり、住宅ローンの審査に通らない可能性もあります。

地域や物件などが限定される可能性はありますが、住宅ローンを借りてマイホームを購入することは可能です。住宅ローンはさまざまな種類があるため、返済計画に無理がないかしっかりと検討した上で住宅ローンを組むようにしましょう。

参考

年収300万円以下でも住宅ローンは組めるの? | ARUHIマガジン

年金はどうなる?

老後の生活が心配という方も多いことでしょう。年収300万円の場合、気になるのは年金がいくらもらえるのかということです。日本では日本に住む20~60歳までの人が加入する「国民年金」と、会社員や公務員などが加入する「厚生年金」の2つの公的年金制度があります。公的年金制度に加入し、10年以上保険料を支払うと、年金を受け取ることが可能になります。

国民年金の場合は、保険料を払った月数によって年金支給額が異なります。1年支払うごとに年金額が約2万円増えていくことになるため、20~60歳まで40年間支払った場合は約78万円受け取ることが可能になります。また、厚生年金を払っている場合は支払った期間だけでなく平均給与も年金支給額に影響します。年金がいくらもらえるかについては年金定期便で確認するようにし、老後の備えとしていくら貯金する必要があるのかしっかりと準備しましょう。

参考

わたしは年金いくらもらえる?年金のプロ・社会保険労務士が教えます|たあんと

「年収300万円時代」とは?

「年金300万円時代」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。前述したように、日本では年収300万円台の世帯が全体の中でも最も多い割合となっていますが、これを予測していたといわれているのが、経済評論家の森永卓郎さんの著書『年収300万円時代を生き抜く』(光文社)です。2003年の発売当初は「年収300万円時代なんてくるはずがない」といわれていたのが、現在では年収300万円台が現実のものとなっています。今後の経済動向には注目する必要があるでしょう。

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年収300万円でも無理なく生活をすることができる

現在の日本では年収300万円の世帯が最も多いといわれています。年収300万円の生活レベルは、結婚も住宅ローンを組むことも可能です。しかし、個人によって老後もらえる年金額は異なるため、老後のための貯蓄はする必要があるでしょう。今回の記事を参考に、自分たちの生活レベルを見直し、人生設計を立ててみてはいかがでしょうか。

参考

国民生活基礎調査|厚生労働省

年収300万円正社員の月収や手取り、貯金額は?|リクナビNEXT

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