WRC:トヨタ、第2戦スウェーデン大会2日目は全車がトップ4入り。首位エバンスは「飛ぶような速さ」

 2月14日に行われた2020年WRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンの大会2日目。ワークスチームとして3台のトヨタ・ヤリスWRCを投じるTOYOTA GAZOO Racing WRT勢では、エルフィン・エバンスが総合首位、カッレ・ロバンペラが総合3番手、セバスチャン・オジエが総合4番手と3人全員が表彰台争いを演じている。

 スウェーデンと隣国ノルウェーを舞台に争われるラリー・スウェーデンは雪不足により当初のスケジュールが見直され、大会初日の13日(木)に競技区間の走行はなく、大会2日目の14日(金)にSS2〜4、8の計4SSが行われ競技初日を迎えた。

 この日は気温が氷点下まで下がったため、路面が硬く凍結。今大会専用のスタッドタイヤがしっかりと機能するコンディションとなった。

エルフィン・エバンスのトヨタ・ヤリスWRC/2020WRC第2戦スウェーデン

    

 そんなラリー・スウェーデンの競技初日に速さをみせたのは前戦のラリー・モンテカルロでも優勝争いを演じたエバンス。SS2、4でトップタイムを刻み、8.5秒リードの総合首位につけた。

 エバンスに続いて速さを発揮したのは、今大会がWRC最上位クラス2戦目となった若手のロバンペラで、ステージ優勝こそなかったもののSS2〜3でステージ3位、SS4でステージ2位に入り、一時は総合2番手につけてみせた。

カッレ・ロバンペラのトヨタ・ヤリスWRC/2020WRC第2戦スウェーデン

 しかし、ロバンペラは首位エバンスと7.9秒差で臨んだSS8のスタート直後にある左ヘアピンでエンジンがストール。すぐに再始動したもののステージ17位に終わり、ひとつ順位を落として総合3番手で競技初日を終えた。

 それでもロバンペラは首位エバンスとは14.3秒差、総合2番手のオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)とは5.8秒差だ。

セバスチャン・オジエのトヨタ・ヤリスWRC/2020WRC第2戦スウェーデン

 前戦モンテカルロで総合2位に入ったオジエはコース出走順が早かったことも影響したか、エバンスなどには遅れを取ったものの、終始安定したペースで走行。トップと17.8秒差の総合4番手につけている。

 そのほかTOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムからラリー・スウェーデンに参戦している勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)も総合9番手で4SSを走りきった。

 今大会には昨年までトヨタのワークスドライバーだったヤリ-マティ・ラトバラもプライベーターとしてヤリスWRCで参戦しているが、メカニカルトラブルがあり大会全体をリタイアしている。

■総合首位につけたエバンス「速く走ろうとしながら、スムーズなドライビングを心がけた」

 チーム代表のトミ・マキネンは「最高のスタートになった。エルフィンのパフォーマンスは本当に素晴らしく、飛ぶような速さだったし、彼はクルマを快適に感じているようだ」とエバンスの戦いを評している。

「カッレのパフォーマンスもまた素晴らしかったが、クルマについてまだ多くのことを学んでいる段階であり、このラリー期間中にさらに速くなるだろう」

「セブ(セバスチャン・オジエ)もいい位置につけているから、チームにとっていい1日だった。この後コンディションがどう変化するのか分からないから、展望を述べるのは簡単ではないが、ここまでのところうまくいっている」

「ステージはウインターコンディションがよく保たれており、明日も今日と同じような展開になることを期待しているよ」

 総合首位のエバンスは「今日は、速く走ろうとしながらも、比較的スムーズなドライビングを心がけたのがよかったようだ」と走行をふり返っている。

「明日は、今日以上の走りをしたいと思うが、コンディションがどうなるのかは誰も分からないから、いかなる状況に遭遇しても対応できるようにする必要がある」

「今日はすべてがうまくいったから、クルマを大きく変える必要はないと思うけれど、それでも走行データをチェックして、さらなるタイムアップを目指すよ」

カッレ・ロバンペラ/2020WRC第2戦スウェーデン

 ロバンペラは「最後のステージに関してはエンジンをストールさせてしまい、タイムを大きく失ったので残念だったが、明日は失ったタイムを取り戻したい」と意気込んだ。

セバスチャン・オジエ/2020WRC第2戦スウェーデン

 オジエは「もう少しだけリスクを負って、思いきり走るべきだったと思う。明日に向けてクルマのセットアップを少し変更し、ペースの改善に努める」と競技2日目の反撃を誓っている。

 2020年のWRC第2戦スウェーデンの大会3日目、競技2日目となる15日(土)は競技初日の14日とまったく同じ4SSを再走する構成でSS5〜7、18が行われる。ただし、どのステージも多くのラリーカーが走行しているため
路面コンディションが大きく変わっている可能性もある。

 全4SSの合計距離は63.68km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は264.49kmとなっている。

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