資料保存、次世代育成が必要 「継承」テーマにシンポ 長大レクナ

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「被爆体験の継承」などをテーマに討論する登壇者=長崎大文教キャンパス

 長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)は15日、「私たちは何を継承すべきか-長崎の被爆・戦後史研究から見えてくるもの」と題するシンポジウムを長崎市で開いた。県内外の研究者4人が、資料保存や次世代育成の必要性などについて発表した。
 長崎大多文化社会学部の四條知恵客員研究員は、長崎の代表的な被爆証言集「長崎の証言」の資料を2016年にデータベース化したところ、米国など海外からのアクセスが多かったと紹介。「利用しやすくすれば需要はある」と述べ、被爆関係資料の収集・保存、活用の重要性を語った。
 福島大うつくしまふくしま未来支援センターの深谷直弘特任助教は、今の子どもでも原爆体験を受け止めやすいように当時の社会状況や、被爆者一人一人の生き方を伝えるべきとした。明治学院大国際平和研究所の根本雅也助手は、被爆者は核廃絶に加え反戦への思いが強い背景を解説した。
 レクナの桐谷多恵子客員研究員は、沖縄戦の陰に隠れがちな沖縄の被爆者の証言を掘り起こしてきたと報告。次世代が体験者の声や思いを「継承したい」と思える仕掛けも重要とした。
 シンポは、レクナが17年度に設置した「長崎被爆・戦後史研究会」の総括事業で約70人が参加。20年度は「核遺産・核政策研究会」に衣替えし、核関連のデータや技術、文化作品、反核運動などを通じて日米の核政策について考え、核廃絶に向けた継承の在り方を探る予定だ。

 

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