就活生必見!大企業・中小企業の定義から割合やメリットまで解説!

就職活動をする中で、大企業に就職したいという憧れを持つ学生もいるでしょう。しかし、日本企業の中で大企業の占める割合がどの程度なのかをご存知でしょうか。今回は、大企業の定義から割合、働くメリットや就職の難易度まで解説します。これから就職活動をする方は、ぜひ参考にしてください。

大企業と中小企業の定義

中小企業は、中小企業基本法で以下のように定義されています。

	中小企業者(下記のいずれかを満たすこと)	小規模企業者
資本金または出資金の総額	常時使用する従業員の数	常時使用する従業員の数
卸売業	1億円以下	100人以下	5人以下
サービス業	5,000万円以下	100人以下	5人以下
小売業	5,000万円以下	50人以下	5人以下
上記以外の業種	3億円以下	300人以下	20人以下

(FAQ「中小企業の定義について」 | 中小企業庁より筆者作成)

一方、大企業というと、一部上場企業やその他有名な大手企業を想像する人もいるでしょう。しかし、大企業に明確な定義はありません。あえて定義をするのであれば、中小企業と定義された企業よりも規模が大きい企業が大企業といえるでしょう。

参考

大企業とは?その定義を説明できますか?意外とわからない企業規模の定義を解説 | ferret

FAQ「中小企業の定義について」 | 中小企業庁

大企業の割合

日本において、大企業の割合はどの程度なのでしょうか。企業数と従業員数という2つの観点から比較してみましょう。

日本の会社に占める大企業の割合

経済産業省によると、日本企業の中で大企業の占める割合はほんの0.3%に過ぎません。99%以上は中小企業であり、その中でも小規模企業は87%を占めています。さまざまなニュースやネットなどで企業の活躍を見ると、日本にはたくさんの大企業があるように感じるかもしれませんが実際は違うのです。

日本における大企業に勤める人の割合

では、勤める人の割合で考えるとどうでしょうか。経済産業省によると、従業者数の約31%は大企業に勤めているそうです。実に10人に3人はどこかしらの大企業に勤めており、これはわずか0.3%の大企業に人が集中しているということでもあります。

参考

企業数 – 中小企業庁 | 経済産業省

大企業・中小企業で働くメリットとデメリット比較

それでは、ここからは大企業・中小企業のそれぞれで働くメリットとデメリットについて考えてみましょう。

大企業で働くメリット

まずは、大企業で働く3つのメリットを見てみましょう。

①先進的なプロジェクトや大きなプロジェクトに関われる機会が多い

大企業には先進的なプロジェクトであったり、大規模なプロジェクトに関わるチャンスがあります。このような機会を得られるのが、大企業の最大のメリットでしょう。

②福利厚生

大手企業は中小企業と比較して、家賃補助や研修、資格取得の支援など、社員に対して手厚い福利厚生サービスが提供されるケースが多いです。

③労働時間・休暇制度

長時間労働が問題になっている昨今、大企業では細かなルールを定めて労働時間を適切に管理する所が多くあります。また、産休、育休、介護休暇などの制度も整っており、取得が推進されているケースも多いでしょう。

大企業で働くデメリット

しかし、メリットだけではありません。大企業では多くの人が関わるため、個人の意見が反映されにくい、個人に与えられる裁量が小さい場合が多いなどのデメリットもあります。また、大企業は分業制になっているため、中小企業のようにさまざまな業務に対応する経験を積む機会があまりありません。このようなデメリットを窮屈に感じる人は、大企業よりも中小企業の方が向いているのかもしれません。

中小企業で働くメリット

次に、中小企業で働くメリットを3つ見ていきましょう。

①個人の裁量が大きく、意見が反映されやすい

中小企業は少人数で会社を運営しているため、個人に与えられる裁量が大きく、個人の意見を反映させやすい傾向にあります。

②転勤が少ない

中小企業は、いくら多くても大企業と比較すると支社・支店の数が少ないです。そのため、中小企業の方が大企業よりも転勤の機会が少なく、1つの場所に長く勤めたい方にとっては望ましい環境であると考えていいでしょう。

③スピード感

大企業とは異なり役員が少なく、承認ルートもシンプルなことが多いことから、決裁までのスピードは大企業よりも早いでしょう。

中小企業で働くデメリット

一方で、中小企業に勤めることにもデメリットはあります。福利厚生が大企業よりも整っていないことがある、給与やボーナスの水準が大企業よりも上がりにくい、また、規模が小さく、ネームバリューもない会社では運営の安定性に不安を感じることも少なくありません。このようなデメリットよりも、個人の裁量の大きさや仕事のスピード感を重視する方は中小企業に向いているといえるでしょう。

大企業への入社は難しいのか

新卒でも大企業への入社は難しい

従業員が多いからといって、大企業への就職が容易なわけではありません。リクルートワークス研究所が2020年3月卒業予定の大卒の求人倍率について行った調査があります。この調査によると、全体の求人倍率は1.83倍となっており、非常に売り手市場であったように伺えます。

しかし、従業員数300人未満の企業の求人倍率は8.62倍と高く、これが全体の数値を引き上げていたに過ぎません。300人以上1,000人未満の企業では1.22倍、1,000人以上5,000人未満の企業では1.08倍、そして、5,000人以上の企業になると0.42倍という非常に狭き門となっています。

つまり、大企業はある程度採用を絞っているため、売り手市場という言葉に惑わされて大手企業でしか就職活動をしなければ、いつまでも内定が獲得できないという事態も起こり得るのです。

参考

第36回ワークス大卒求人倍率調査 | リクルートワークス研究所

新卒「売り手市場」の落とし穴、大企業の求人倍率はたった0.37倍 | ダイヤモンドオンライン

中小企業から大企業への転職可能性は0ではない

依然として新卒一括採用が採用の多くを占める日本企業において、新卒の方が大企業に採用されやすいという面はあるでしょう。

それでは、一度中小企業に就職すると、大企業には転職できないのでしょうか。転職支援サービスを展開するマイナビエージェントもリクナビNEXTも、中小企業から大企業への転職は可能であるといっています。転職の方法としては、20代のうちから第二新卒として転職を考える方法と、ある程度経験を積んでから大企業に転職する方法があります。後者の場合は、きちんと専門性を磨くことが重要となります。

また、企業の中には保険や不動産の営業、製薬会社のMRなど中途採用メインで大量採用をしている企業もあります。希望の業種があれば、このように中途採用メインの企業をターゲットにするのもいいでしょう。

参考

知名度の低い中小企業から、大手企業に転職したい。実現可能性は?【シゴト悩み相談室】 | リクナビNEXTジャーナル

転職で大手に行くために知っておきたい6つのこと | マイナビAGENT

日本で従業員の多い大企業トップ10

働く人が多いということは、今後も多くの採用が期待できるということでもあるでしょう。年収ランキングによると、日本で従業員数の多い大企業トップ10は、以下の表のとおりとなっています。(2020年1月25日現在に掲載されている情報)

この情報を見る限り、トヨタをはじめとしたメーカー企業や東日本旅客鉄道をはじめとした陸運企業の従業員が多い傾向にあるようです。

1位	トヨタ自動車	74,890人
2位	パナソニック	61,311人
3位	東日本旅客鉄道	47,575人
4位	デンソー	39,315人
5位	日立製作所	34,925人
6位	三菱電機	34,561人
7位	富士通	32,969人
8位	日本通運	31,871人
9位	キャノン	26,075人
10位	西日本旅客鉄道	25,291人

(日本の大企業の従業員数ランキング1位~3679位の会社一覧【2020年最新版】 | 年収ランキングより筆者作成)

まとめ

日本における大企業の割合は少ないものの、決して就職できないわけではありません。また、大手企業に向いている人、中小企業の方が働きやすい人など、その人の特性によっても違いがあるため一概にどちらがいいとはいえません。大手企業、中小企業双方のメリット・デメリットを鑑みた上で、どちらに就職した方がよいか考えるといいでしょう。

参考

転職経験者が語る! 大手企業と中小企業の違いとメリット・デメリット | マイナビ転職

大企業に勤めることがやっぱり「おいしい」5つの理由 | ダイヤモンドオンライン

大企業と中小企業で働くメリットとデメリットを29の点で比較 | 社会人の教科書

日本の大企業の従業員数ランキング1位~3679位の会社一覧【2020年最新版】 | 年収ランキング

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