44年前から海外志向! とにかく走り自慢だった
初代は「130km/hでの快適にクルーズ」を目標として掲げ、日本はもとより欧米など、海外市場での高速走行を想定して開発が進められていた。今でこそ、セダンクラスでは日本での販売にやや見切りをつけ、海外に販売の軸足をおいたクルマが増えているが、アコードの海外志向はセダン人気凋落の遥か以前からで、登場してまもなくアメリカへ向けて輸出が始まり、2代目からは現地生産もスタートさせていた。
4WSや最新エンジンなど常に最新技術満載
歴代どのモデルを見ても共通しているのは、ホンダの先進技術が惜しみなく投入され、ハイレベルなクオリティを実現していることにある。
アメリカのマスキー法を世界で初めてクリアしたCVCCエンジンの搭載。FFとしては世界初の4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションの採用。VSA(車両挙動安定化制御システム)、車速/車間制御機能、車線維持支援機能など、歴代モデルに採用された革新的な技術は、ホンダの優れた技術力を世に知らしめ、アコードの世界的な評価を高めることにつながった。
セダン・ワゴン・ハッチなどバリエーションも豊富だった
また、当初ハッチバックとセダンでスタートしたラインナップに、クーペ、さらにワゴンを加えて多様化するニーズにも対応。
2020年2月より販売を開始した新型アコードはセダン1本立てだが、旧型に設定されていたワゴンやクーペ、さらに限定で販売された左ハンドル仕様やスポーツモデルのユーロRは、現在も中古車市場で一定のニーズを獲得している。
新型アコードはセダン復権できるか?
アコードは44年という長きにわたって、ネーミングが示す通り、人の暮らしや社会と深く“調和”することを追求し続けてきた。新型車ゆえに新しさに注目が集まるが、新型アコードにも歴代モデルから脈々と受け継いできた調和の精神が息づいている。ちなみに新型アコードの生産は、日本ではなくタイで行われる予定だ。
【筆者:MOTA編集部/撮影:茂呂 幸正】