クルーズ船受け入れ 2日から三浦岸壁で 佐世保市方針

 長崎県佐世保市は27日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、乗客がいないまま航行しているクルーズ客船「コスタ・ネオロマンチカ」(5万6769トン)を、3月2日から4日まで佐世保港の三浦岸壁で受け入れる方針を明らかにした。
 市議会都市整備委員会で説明した。
 市によると、25日に船会社側から依頼を受けた。客船は、29日に佐世保港に入り、3月1日まで海上に停泊。2日から三浦岸壁への接岸を希望している。目的は給水や給油、物資搬入、ごみの搬出など。乗員は約560人。下船は岸壁と国際ターミナルの一部エリアに制限するが、勤務の交代に伴いエリア外へ出る可能性もあるという。
 この客船は1月25日に中国・海南省で乗客を降ろし、ベトナムの港を出入りしていた。2月23日に長崎港で入国審査と検疫と受けたが、感染者はいなかった。26日には鹿児島港に入港している。
 都市整備委では、政府がイベントの中止などを要請している状況を踏まえ、「市民の理解を得られるのか」と懸念する声が続出。市は感染や風評が出ないよう対応するとし、「(客船の行き先がなく)船会社が困っており、協力したい」と理解を求めた。
 市は、国際クルーズ拠点となる浦頭地区の岸壁が4月1日に供用開始することに合わせて計画していた式典を延期する考えも示した。

 


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