ホンダ 新型フィット(4代目) 徹底解説 Vol.4|ハイブリッド(e:HEV)と1.3リッターガソリンの違いを分析する!

ホンダ 新型フィット(4代目) FIT BASIC(ベーシック)[1.3L]

新型は2タイプのエンジン

新型フィットのエンジンは、直列4気筒1.3リッターのガソリンモデルと、1.5リッターハイブリッドのe:HEV(イー・エッチイーブイ)。

従来型の3代目フィットでは1.3リッターの他に1.5リッターで動力性能の高い直噴エンジンやマニュアルトランスミッション(MT)も選べたが、新型には設定がない。

Vol.1|新型フィット 5つのグレード(タイプ)の特徴を分析」

買うなら、ノーマルタイプとハイブリッド、どっち?

ハイブリッドシステムを刷新

ホンダ 新型フィット(4代目) FIT e:HEV CROSSTAR(クロスター)[HYBRID]

新型フィットで注目したいのは、ハイブリッドをe:HEV(イー・エッチイーブイ)という名称に刷新したことだ。従来から上級クラス車に用意されてきたi-MMDをコンパクトカー用に変更したもので、発電機と駆動用モーターを別個に搭載している。

エンジンは主に発電機を作動させ、駆動はモーターが担当する。そのためにエンジン回転は速度の増減に左右されにくく、高効率な回転域を多用できる。駆動はモーターが行うため、運転感覚は電気自動車に近く、加速が滑らかでノイズも小さい。

ただし、この制御を突き詰めると乗員に対してエンジンが勝手に回っている違和感を与えてしまう。そこで、アクセルペダルを深く踏み込んだ時には、一般的なガソリンエンジン車のように回転が高まり、なおかつATのように、エンジン回転が上下しながら速度を高めているのだ。

モーターはエンジンに比べるとアクセル操作に対して素早く反応する。追い越しの際に踏み足すと、2.0リッターエンジン車並みの力強さを実感できる。

ガソリンエンジンは従来型を継承するがトータル性能は進化している

ホンダ 新型フィット(4代目) FIT HOME(ホーム)[1.3L]

直列4気筒1.3リッターのノーマルガソリンエンジンは従来型と同じだが、CVT(無段変速AT)は進化した。動力性能自体は高くないが、ノイズは抑えられ、コンパクトカーとしては上質な走りを楽しむことができる。

安全性を向上し、ドライバー思いのクルマに

ホンダ 新型フィット(4代目) FIT e:HEV LUXE(リュクス)[HYBRID]

装備では安全性と快適性を高めるホンダセンシングを全グレードに標準装着。衝突被害軽減ブレーキは、歩行者・自転車・車両と幅広く検知できる。路側帯の歩行者と衝突する危険が生じた時にも、パワーステアリングを制御することで回避操作を促す歩行者事故低減ステアリングも備わっている。

ペダルの踏み間違いなどを防ぐ誤発進抑制機能は、前後両方向に対応。低速で走る時に壁などに衝突するのを防ぐ近距離衝突軽減ブレーキも、同様に前後両方向に対応しているので安心。

運転支援機能は、先行車を追従するACC(アダプティブクルーズコントロール)が、渋滞時などにも対応するものに進化した。

ホンダ 新型フィット(4代目) FIT HOME(ホーム)[1.3L]

パーキングブレーキが電動式のため、全車速追従機能によって停車した後、停車時間が長引いた時は自動的に電動パーキングブレーキを作動させて停車を続けられるのだ。

従来と同様、車線の中央を走れるように電動パワーステアリングを制御する機能も備わり、ドライバーの疲労を抑えて安全性を向上させることができた。

[筆者:渡辺 陽一郎/撮影:茂呂 幸正・Honda]

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