ホンダ 新型フィット 試乗&解説 Vol.1|オススメグレード選び編

ホンダ 新型フィット(4代目)と、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さん

多くのユーザーから愛され続けてきたホンダ フィットがフルモデルチェンジ

2020年初旬に発売された新型車の中で、特に注目度の高い車種がホンダ フィットだ。2001年に初代モデルを発売して以来、運転のしやすい実用的なコンパクトカーとして、多くのユーザーに愛用されてきた。2012年以降のホンダでは、軽自動車のN-BOXが絶好調に売れて、フィットのユーザーは減る傾向にあるが、それでも登録台数は1か月平均で7000~8000台に達する。やはりフィットはホンダの基幹車種であることに変わりはない。

このホンダ フィットが2020年2月にフルモデルチェンジを実施した。5種類のグレード(シリーズ)を用意して、それぞれに直列4気筒1.3リッターのノーマルエンジン版と、e:HEV(イー・エッチイーブイ)と呼ばれる1.5リッターの新型ハイブリッド版を用意する。

ホンダ 新型フィットのオススメグレードはこれだ!

ホンダ 新型フィット 東京モーターショー2019

まず最初に、ホンダ 新型フィットのオススメグレードについて考えてみよう。

新しいフィットは、GやRSといった記号で示す従来のグレード名に変わり、BASIC(ベーシック)、HOME(ホーム)、NESS(ネス)、CROSSTAR(クロスター)、LUXE(リュクス)と、ライフスタイルに合わせた5つのタイプが設定された点が注目される。

装備の充実度と価格の割安感を上手にバランスさせたのはHOMEで、販売総数の46%を占める。迷ったらまずHOMEをオススメする。

価格が最も安いBASICに比べると、1.3リッターガソリン車の場合、フルLEDヘッドライトやエアコンのフルオート機能などが加わる。シート生地はプライムスムース&ナチュラルテキスタイルに上級化する。

CROSSTARは、トレンドを押さえたSUV風のグレード。最低地上高に余裕を持たせたから、デコボコも乗り越えやすい。悪路に限らず、駐車場と車道の間に大きめの段差がある時も、下まわりを擦る心配が少ない。

LUXEは本革シートなどを備えるグレード。専用装備として、運転席と助手席シートヒーター、ステアリングヒーター(2WDはオプション)もある。本革巻きステアリングホイールはLUXEとHOMEのe:HEV車のみの装着だ。ニーズの高い装備だから、ほかのグレードにも設定して欲しいのも本音だ。

なお、先進安全支援機能“Honda SENSING”(ホンダセンシング)に含まれる衝突被害軽減ブレーキ(CMBS)は、設計の新しい車種とあって各タイプともにフルに装着される。機能も進化し、歩行者のほか自転車の検知も可能だ。

[筆者:渡辺 陽一郎/撮影:茂呂 幸正]

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