WEC:セブリングでのサクセスハンデ、7号車トヨタは1周3秒ロス。一方、上位3台の差は縮小

 FIAは3月18~20日、アメリカのセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われる、WEC世界耐久選手権第6戦セブリング1000マイルで適用される“サクセス・ハンディキャップ”を発表した。

 2019/2020年シーズンから運用が開始されたサクセス・ハンディキャップは、WEC/ル・マン24時間の最高峰カテゴリーであるLMP1クラスの各車両に課せられるもの。決定したハンディキャップに応じて車両重量や燃料流量、ハイブリッド車ではMGUの使用エネルギー量などを調整することで、各車の性能差の縮小を図る仕組みだ。

 ハンディキャップ量の計算はランキング最下位との獲得ポイント差と、サーキットの全長(km)、FIAが定める係数(0.01255)、この3つを乗算して行う。

 しかし、前戦のオースティンからはランキング首位のクルマから40ポイント後方に“バーチャルカー”を設定し、これを新たな基準車とすることで過度の速度低下を防いでいる。

 その第5戦COTAで1号車レベリオンR13・ギブソン(レベリオン・レーシング)が勝利を収め、ランキング2位につけるTOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッドが2位、選手権をリードする同7号車トヨタTS050ハイブリッドが3位となったことで、シーズン中盤戦となる第6戦セブリングではこのランキング上位3台がわずかに接近することになった。

 今回、1号車レベリオンのサクセス・ハンディキャップは1周あたり0.55秒から1.36秒に引き上げられているが、依然としてもっとも重いハンデが課される7号車トヨタとは1.5秒以上の開きがある。

 その7号車トヨタは、前戦の2.77秒から3.02秒へとハンデが増やされ、同システムで初めて1周あたり3秒以上のハンディキャップを背負うクルマとなった。なお、レベリオンに次いで上げ幅の大きかった8号車トヨタは2.21秒から2.64秒となり、僚友7号車とのギャップは第5戦の0.56秒から0.38秒へと縮小している。

 ローン・スター・ル・マンを欠場し今戦でシリーズに復帰するチームLNT。彼らが走らせる2台のジネッタG60-LT-P1・AERはともにサクセス・ハンディキャップがゼロで、最少重量の833kgはレベリオンよりも44kg軽く、2台のトヨタとの比較では99kg軽くなっている。

■2019/20年WEC第6戦セブリング1000マイル サクセス・ハンディキャップ早見表

No. Team Point SH Comparison

1 レベリオン・レーシング 89.0 1.36 +0.81

3 レベリオン・レーシング – 1.36 +0.81

5 チームLNT 24.5 0 ±0.00

6 チームLNT 12.5 0 ±0.00

7 トヨタ・ガズー・レーシング 111.0 3.02 +0.25

8 トヨタ・ガズー・レーシング 106.0 2.64 +0.43

SH:サクセス・ハンディキャップ(秒/1ラップ)
Comparison:第5戦オースティンとの比較(秒/1ラップ)

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