アレガ軍艦島 再公募開始 土地・建物を無償譲渡

譲渡先を再公募するAlega軍艦島=長崎市野母町、2019年11月撮影

 定例長崎市議会は11日、各常任委員会を続行した。環境経済委で市は、譲渡先の選定ができずに1月から休館中の温泉・宿泊施設「野母崎炭酸温泉Alega(アレガ)軍艦島」(野母町)について、再公募を始めたことを報告した。土地と建物を無償譲渡とするなど条件面を見直し、幅広い事業者の応募を促す。

 同施設は市野母崎振興公社が指定管理者として運営していたが、2017年度以降は赤字が続き、市は民間売却を決めた。昨年11~12月の公募には2事業者が申し込んだが、いずれも審査前に辞退していた。
 市は前回の公募の際、土地価格1億200万円、建物価格6億2千万円と評価。建物は15年間の修繕費を見込んで無償とし、土地代のみを求めていた。
 しかし、公募後の聞き取りで各事業者から「維持や改修、投資には想定以上の経費が見込まれる」などの指摘があり、条件を見直した。
 このほか、ホテルと温泉事業継続を求める期間を当初の15年間から10年間に緩和。ホテル運営については交流人口拡大による活性化や雇用創出につながる取り組みであれば、宿泊以外の事業も可能とした。
 市は13日と19日に現地説明会を開く。ただし、新型コロナウイルスの影響次第では別日程の開催も検討する。その後、4月21日まで事業者の参加表明を受け付け、5月18日に公募を締め切る。審査会は5月25、26日に開く予定。
 同施設は、旧西彼野母崎町が2001年に「野母崎海の健康村」として開業した。敷地面積は約1万2700平方メートル。建物は地上3階、地下1階の鉄筋コンクリート造りで、延べ床面積は約4300平方メートル。大浴場やレストランなどを備える。

 


関連記事

© 株式会社長崎新聞社