今回は、SNSの中でも若年層と女性の利用率が高いInstagramに注目。国内外の投稿上手なインスタグラマー議員がアップしている投稿内容をチェックしつつ、政治家はInstagramをどう攻略すべきかを考えます。
番組内容をダイジェストでお伝えします。
インスタフォロワー数では、総理と官房長官が1、2位独占！
乙武 「さあ、今回も始まりました選挙ドットコムちゃんねる。今回は、『国会議員がバエる？Instagramランキング』というテーマでお送りしていきます」
千葉 「以前の番組で、国会議員のYouTube事情を見ていきましたね。今回は国会議員のInstagram事情を見ていきたいと思います。
選挙ドットコムでは国会議員のSNS事情を調査分析していますが、今回は国会議員のInstagramの投稿で、多くの反応を集めたものを『クラウドタングル』というツールで集計しました」
松田 「実は、選挙ドットコムとFacebook Japan社は提携していまして。Instagramを運営しているのは、このFacebook Japanなんです。ご年配の政治家の方に教えると、びっくりされるんですけど、InstagramはFacebook社が運営しているんですよね。
で、そのFacebook Japan社と提携している選挙ドットコムでは、既成の解析ツールである『クラウドタングル』を使用して、分析させていただいているというものです」
千葉 「では結果をランキング形式で紹介していきます」
乙武 「すごっ！ 安倍さんケタ違い！」
千葉 「51万人。多いですね」
松田 「総理大臣と官房長官でワン・ツー独占ですね」
乙武 「すごいな。あ、でもその後は女性が続くんですね」
千葉 「今井絵理子さん、蓮舫さん、野田聖子さん……」
乙武 「6位から10位にも女性が2人入っているし。これはYouTubeやTwitterなんかとは、ちょっと傾向が違う感じがしますね」
松田 「足立康夫さんはYouTubeもInstagramも両方ランクインしていますね。これは大したもんです」
乙武 「たしかにすごい発信力がありますね」
松田 「政党のInstagramのフォロワー数でも自民党が1位」
乙武 「やっぱり3位の今井さん、4位の蓮舫さんは、元タレントってことで、なんと言うのかな、見せ方を分かっているってところはあるんですかね？」
松田 「ですね、今井さん自身はもともとSPEEDとしてアーティスト活動をなさってましたから、そのころのファンの方もけっこうフォローされていて、蓮舫さんに関してはもともとの非常に高い知名度というのを生かして、フォロワーを集められていますね」
乙武 「三原じゅん子さんだって、元タレントさんですもんね。やっぱり元タレント・芸能人勢は強いですね」
松田 「強いですねえ。そんな中で、高橋光男さんはすごいですね、6位。高橋さんはこの中でたぶん一番知名度は低い議員ではないかと思いますけど、公明党の参議院議員です」
乙武 「どうしてこんなに高橋さんが注目されているんですか？」
松田 「これは昨年の参院選が大きい。公明党にとっても最激戦区というか、最重要選挙の立候補者が高橋光男さん。高橋さんが当選するかどうかというのが一番当落線上で厳しいということで、山口代表をはじめ党幹部のみなさんも非常にたくさん応援に入られて、全国挙げて高橋さんを当選させるために総力を結集したんです」
千葉 「あー、なるほど」
松田 「たぶん、その影響があるんじゃないかと思います」
乙武 「やっぱりInstarramというのはどちらかと言うと、若い世代の有権者に向けたアピールっていう捉え方でいいんですかね？」
松田 「そうですね、ユーザー層を見てみますと女性の方の割合がかなり多い。最近、だいぶ変わってきていると言われますけど、40代より下の層の比較的若い人が利用しているSNSのひとつということで。
そういうターゲットに合わせて発信する内容を変えた方がいいですよっていう風に、我々選挙プランナーも政治家の方にはアドバイスするんですが。FacebookがあってInstagramがあって、Twitterをやっててとなると、なかなか使い分けるのが、これ、大変なんです」
千葉 「そうですよね」
松田 「多くの方は、Facebookの投稿をそのままインスタに上げちゃったりして、なかなかフォロワーも増えないし、いいねもつかないというようなケースが多い。というか多かったんですけど、最近、ちょっと本腰を入れて活用し始めている方も増えてきた印象です」
プライベート投稿がInstagramフォロワーを惹きつける？
千葉 「では何人かのInstagramをご紹介していきましょう。まずは、1位の安倍さん。こちらは活動報告や交流写真を中心にPRするスタイル。自撮り写真をしているところとか、なかなか公のときには見ないような写真ですね」
松田 「そうですね」
千葉 「次は蓮舫さんです。先ほどの安倍さんとはだいぶ雰囲気が変わりますね。活動写真とか食べ物、犬、あとは家族写真。ご自身で自撮りされたものとかも載せていまして」
松田 「これすっぴんですか？そうじゃなかったらすごくナチュラルメイクですね」
千葉 「ご自宅でナチュラルに撮っているようなイメージのお写真ですね」
松田 「自然な感じですね」
乙武 「プライベート色をより強く出している感じですね。こういうのも、やっぱり『戦略』なんでしょうね」
松田 「SNSマーケティングの世界では、Instagramは自分の家に友達を招くような、自分の家にお気に入りの絵や写真を飾ってそれを見てもらう、そういうかなりプライベートなものをフォロワーに見せるイメージという特性があると言われていますので、蓮舫さんの使い方も、そういう部分を十分に意識して計算して、活用されているのかなと思います」
乙武 「なるほど。ちゃんと考えていらっしゃる」
千葉 「続きまして、高橋光男さんですね」
乙武 「先ほどの方ですね。家族とのふれ合いが中心で、活動写真もという感じ」
松田 「そうですね、高橋光男さんなんかは、注目候補だったので私もTwitterをフォローしていたんですけど、Twitterは相当激しいですね」
乙武 「激しい？」
松田 「完全に選挙の広報。今だけかいっ、みたいな。激戦中の激戦だったので、その激しい選挙戦の中で、なんというかめちゃくちゃ感情がこもったアツいtweetが多かったんですけど、Instagramでは一転して、こういった家族との触れ合いや、蓮舫さんと同じく少しプライベートな内容中心に、フォロワーの共感を得るという点を意識しているのかなあと思います」
乙武 「なるほど、ちゃんと使い分けてる」
松田 「公明党も、Instagramのフォロワー数で言うと自民党に次いで2番目に多いんですけど、支持勢力である創価学会も、オフィシャルのアカウントを開設していますね」
乙武 「創価学会って、何をインスタに載せてんですか？」
松田 「新しくできた創価学会関連の建物ですとか、教えにまつわる言葉とイメージの合うきれいな写真だとか、あとは創価関係の教育施設などの写真なんかを上げていて、11万人くらいだったかな、フォロワーがいます」
乙武 「たしかにそれだけ信者の数がいらっしゃれば、写真が得意な人もいらっしゃるでしょうしね」
松田 「かなり丁寧に、毎日あげている印象ですね」
海外でも多くの政治家が戦略的に活用中
千葉 「では、Instagramの上手な使い手ということで、今度は海外の議員さんを紹介していきましょう」
千葉 「こちらは、政治界ではインスタの女王といわれているアレクサンドリア・オカシオ・コルテス議員です」
乙武 「よく読めたねー、俺、絶対舌噛むと思った」
松田 「ちゃんと読めましたね。この方、2018年のアメリカの中間選挙において、最大の番狂わせと言われているんですよ。ニューヨーク州の選出なんですが、予備選挙では民主党内で10期務めていた大ベテラン、これまでその方が非常に強すぎて無風だった選挙区なんですけど、ここに当時はまだほとんど無名だったアレクサンドリアさんが立候補されまして。
あれよあれよという間に、予備選挙で勝利を収めて、そのまま本選でも勝って、非常に話題になった最大の番狂わせ候補者だったんです」
乙武 「えっ、ちょっと待って！フォロワー数が423.6万人？ すごいね。だってさっきの安倍さんが50万とかで、日本でダントツだったでしょ？すごすぎる」
千葉 「この方のInstagramを見たんですけど、本当にかっこいいんですよね。普段のカットもそうだし、議会で話しているときの様子なんかも動画でたまに上げたりとか。あとは、ご自身が広告みたいにしっかりした背景で写っている、きれいな写真とか。右側の写真とかなんかもう、ほんとうにモデルさんみたいですよね」
松田 「本当にモデルさんみたい」
千葉 「アレクサンドリアさんのInstagramは非常にライブ感もあって、有識者や有権者の方々と交流する様子とか、議会でダンスをする動画などもあるそうです。次はニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相。こちらもうまくInstagramを活用している方なんです。育児写真とかなどですね」
乙武 「あ、彼女は育休を取った首相として、日本でも大きく報道されたよね。あえて赤ちゃんの頭越しの写真をアップしてるんだ」
千葉 「ちょっとボケてる感じがいいですよね」
松田 「アーダーンさんのアカウントは、あまり作られていないというか自然な印象ですね。アレクサンドリアさんの方は、たぶんちゃんとプロを入れてヘアセットなんかもしっかり決めて、非常に力を入れたポスターみたいなかっこいいもの、非常にクオリティが高いものが多いですけど、アーダーンさんの方はどちらかというと日常の写真とかも含めて、プライベート感を出して、共感を集めていくスタイルでInstagramを利用されている印象ですね。76.5万人のフォロワーを集められていて」
乙武 「すごいね、こちらも」
松田 「日本でもInstagramのユーザーが年々増えていまして、実は今すでにFacebookユーザーよりも、Instagramの方が多いんです」
乙武 「へーそうなんだ」
松田 「Instagramが3,300万人くらい、Facebookは2,600万から2,500万人と言われておりまして、InstagramがメインのSNSでTwitterでもFacebookでもなく、インスタをメインにしているような方が増えてきているようです。今後、政治家の中でもインスタを積極的に活用していく人が増えてくるんじゃないかと思います」
『ここだけ限定』のプライベート感をどう演出するかがポイント？
千葉 「ここまで見てきて、お2人はどんな風に思われますか？」
松田 「実際、これむしろ、千葉ちゃんに聞きたい！」
乙武 「オッサンには難しいよ」
松田 「そう。おじさんにはムズいんですよ、Instagramって」
乙武 「俺ねえ、もう1年半くらいやってるけど、いまだに『これで（使い方）合ってんのかな？』って思うもん。
昨日、投稿したのなんか、泥酔して寝てる写真だよ？（笑） 絶対コレ、使い方間違ってんなーと思いながら、おもしろいからまあいいやってあげちゃったけど。
なんなら千葉ちゃんにアドバイスしてほしいよ。『乙武さんのインスタ、もっとこうしたほうがいいですよ』って」
千葉 「乙武さんは、すごいいろんな動きとか動画とかで出されているの、面白いですよ」
乙武 「合ってる？ 合ってる？」
千葉 「いいと思いますよ、おもしろいし」
乙武 「あーよかった、励まされた」
千葉 「今回、政治家の方のInstagramを色々見ておもったんですけど、それこそ上位にいらっしゃる蓮舫さんとか今井さんの使い方がすごく上手だなと感じていて。
それは、私服姿が見られるっていうところなんです。議員さんって、私的にはいつもカッチリとスーツを着られているイメージだったんですけど、お二人はちゃんと私服が載っていて。
で、今井さんだと手話をしていたりとか、蓮舫さんは愛犬と一緒に写ってたりとか、普段は見られない一面が上手に出ているというところでは、フォロワー数のすごく多い安倍さんや菅さんとはちょっと違うアピール方法だなと感じましたね。なので、私個人としては、みなさんまずは私服を載せてほしいかも」
松田 「あー、それこそヒラリー・クリントンさんなんかも、アメリカの大統領選当時、クローゼットを見せてましたね。『どの服着ていこうかな』みたいなコメントつけてね。
あとはトランプ大統領なんかも、娘さんが生まれたときの当時の写真を出してたりとか、Twitterのあのすごく攻撃的な感じとは全然違っているんです。そういうプライベートなものを出したりするから、やっぱり共感を得やすい。
あと、Instagramの特性として、TwitterとかFacebook みたいに、炎上しにくいんですね。投稿をシェアするという機能がないので、まったく知らない一見さんみたいな人がいきなり見に来る可能性というのがあまりなくて。
まぁハッシュタグ経由で見に来る人はいますけど、そのハッシュタグで検索するっていうのはそもそも同じ関心がある人ということなんで、基本自分を好きなファンとのコミュニケーションを、円滑にとっていきやすいというところがあります。
なので、プライベートや私服、家族とかの情報を出していくっていうのには、非常に向いているSNSだと思いますね」
乙武 「あのね、Instagramはね、本当に優しい」
松田 「優しい！」
千葉 「コメントがですか？」
松田 「Twitterはめっちゃ厳しいもんね」
乙武 「僕、Twitterとかは、反応がほとんど批判なんだけど、インスタの人はみんなあったかい。ちょっとぶっさいくな写真をのっけても『今日もカッコいいですね』とか『笑顔が素敵です』とかね、もう俺、Instagramの中だけで生きていきたいと思うもん」
松田 「ほんとにね、Twitterは厳しいコメント多いからね」
――スタッフ 「千葉ちゃん、きれいな女性じゃなくて、おっさんの私服にも興味あるの？」
千葉 「うーん、もし私服のセンスがない人だったら『私、センスないんです。誰かおすすめ教えてください』みたいなコミュニケーションをとってくれたら、ちょっとスキが見えるというか、親近感がわきますねえ」
松田 「なるほど！」
乙武 「あと橋下さんも上手だよね、今政治家じゃないけど。Twitterではあんだけガンガン強い口調で政策とかについてコメントしてますけど、Instagramは『洒落たグラム』と銘打って、ひたすら飲んでる酒のアップを上げているんですよ」
松田 「それ、面白いですね。うまいな」
乙武 「というわけで、今回はここまでとなります。チャンネル登録と高評価、そしてついでに僕のInstagramのフォローもよろしくお願いします！」
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