諫干問題学識者検証委 事業を再評価 解決策提言へ

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海の異変を話す石田さん(右)の説明を聞く参加者=諫早市、潮受け堤防中央展望所

 学識者らでつくる日本環境会議の諫早湾干拓問題検証委員会が4月に発足するのに合わせ、同検証委メンバーが15、16の両日、諫早市を訪れ、開門を求める漁業者や営農者の現状を聞き取った。同検証委は社会科学の視点から国営諫早湾干拓事業を再評価し、年内をめどに問題解決の方向性を含めた提言を発表する予定。
 同会議は1979年発足し、公害や環境問題の調査、政策提言をしている。国が開門確定判決の執行力排除を求めている請求異議訴訟で、最高裁が昨年9月、確定判決の「無効化」を認めた控訴審判決を破棄、差し戻した後、漁業者側弁護団が同会議に事業の検証を依頼した。
 調査には、同会議理事長の寺西俊一・一橋大名誉教授(環境経済学)ら12人が参加。潮受け堤防中央展望所では、雲仙市瑞穂町の石田徳春さん(82)らが堤防閉め切り後、潮の流れが悪くなり、アサリの水揚げが激減した状況を説明した。
 諫早市内であった総括会議では今後、調査結果を踏まえたシンポジウムや検討会を通して、報告書を作成する方針を確認。寺西委員長は「漁業者らが失った権利を取り戻すため、干拓事業がもたらした事実を検証し、専門的知見に基づき、夢のあるビジョンを地域に示したい」と述べた。