メクル第446号 <旬感 V・ファーレン>DFフレイレ選手(背番号4) 夢や感動、届けたい

「Soldier」の言葉通り、闘志を前面に出すフレイレ選手

 2月23日、今シーズンの幕開(まくあ)けを告げた栃木(とちぎ)SC戦。3バックの右で先発し、前半22分には決勝ゴールを挙げました。「セットプレーのゴールも練習通り。難(むずか)しい時間帯もリスクマネジメントできた。チームワークで取った勝利」と笑みがこぼれました。
 日本に来たのは2017年。母国ブラジルやヨーロッパのクラブを渡(わた)り歩き、「アジアの中で1番強いJリーグでプレーしてみたい」と、J1清水エスパルスに加入しました。
 最初は、ダイナミックで組織的(そしきてき)な日本のサッカーになじむのにひと苦労。しばらく試合に出ることができませんでした。でも「私(わたし)は助っ人。メンタルが強くないといけない。負けちゃいけない」。強い心で耐(た)えました。
 日本人のチームメートが気にかけてくれたこともうれしかった。だからこそ、感じることができました。「強いチームを作るのも、勝つのも全員の力」。ベンチを外れても「自分に何ができるのか」と考えるようになりました。
 その思いは、V長崎加入時のコメントにもありました。「一緒(いっしょ)に強くなりましょう」。チームメートへ。そして、共に戦ってくれるサポーターへ-。この言葉が言えるのも、清水での苦しい時間が自分を育ててくれたからです。
 V長崎への移籍(いせき)は、未来を描(えが)いて進むチームで自分も成長したかったから。初めてのJ2ですが、長くそこにいるつもりはありません。「今年1年をかけて、(チームを)1部に上げてやる!!」
 開幕戦に勝利し、J1昇格(しょうかく)へのろしを上げました。しかし、今は新型コロナウイルスの影響(えいきょう)でリーグ戦は中断(ちゅうだん)中。「勢(いきお)いに乗って連続で勝ちたかったけど、仕方ない。しっかりこの時間にいい準備(じゅんび)をしたい」。サポーターが待つ再開(さいかい)戦に向け、闘志(とうし)を燃(も)やしています。
 サッカーをするために13歳(さい)で親元を離(はな)れてから、ずっと大切にしている言葉があります。「Soldier(ソルジャー=戦士)」。サッカー選手として、どんな時も戦い、人々に夢(ゆめ)や感動を届(とど)けるのが使命だと、心に刻(きざ)んでいます。
 過去(かこ)にV長崎と対戦し、「泥臭(どろくさ)くて強い魂(たましい)を持っているチームだと思った」。だからこそ、やりがいがある-。不屈(ふくつ)のファイターは、ここ長崎で輝(かがや)きを放ちます。

◎プロフィル
 1989年8月21日生まれ。ブラジル出身。ブラジルでプロデビューし、ポルトガル、カザフスタン、キプロスのチームに所属(しょぞく)。187センチ、82キロの大きな体格(たいかく)を生かし、空中戦や球際(たまぎわ)に強さを発揮(はっき)する。ゲーム「フリーファイア」にハマっている。30歳(さい)。


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