長崎港2バース化計上 国交省予算配分、大型船2隻対応へ

 国土交通省は31日、2020年度の予算配分を公表した。長崎港松が枝埠頭(ふとう)に大型船2隻が接岸できるようにする2バースの新規事業化を盛り込んだ。16万トン級の大型客船に対応できる410メートルの新しい岸壁や泊地、臨海道路、埠頭用地を6年かけて整備する。
 国交省などによると、19年の長崎港のクルーズ船寄港は183隻で全国で4番目に多い。クルーズ客は55万人に上るが、一方で岸壁不足などで100隻程度を受け入れられなかった。クルーズ需要については新型コロナウイルスによる不透明感はあるものの、2バース化で背後地に集積する世界遺産と調和した都市空間の形成や、三菱重工業長崎造船所のクルーズ船メンテナンス事業との相乗効果が期待できるという。
 また、路面電車の松が枝方面への延伸など背後地の再開発構想も連動して動きだす可能性がある。総事業費は136億円で25年度に完成予定。20年度予算には2億円を計上し、岸壁や道路の調査設計を進める。
 道路関係では、諫早市と南島原市を結ぶ地域高規格道路「島原道路」で未着手となっていた島原市有明町-雲仙市瑞穂町間約10キロが新規事業化された。4千万円が計上され、整備に向けた調査を行う。
 西九州自動車道は、未開通となっている松浦佐々道路(松浦IC-佐々IC)の約19キロについて、本年度の60億円から大幅増の80億円が付いた。
 東彼東彼杵町と佐世保市をつなぐ地域高規格道路として構想されている「東彼杵道路」については、これまで路線の必要性や効果を調査してきたが、国交省は「必要」と認識。今後、概略ルートなどを検討する段階に入る。

 


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