新型コロナ感染「身近で起きる」 立て続けに確認 市民恐々

 佐世保、諫早、壱岐の3市で1日、新型コロナウイルスの感染者が立て続けに確認され、感染者数は県内で計5人になった。佐世保、諫早両市では初めて、壱岐市では2人目。「とうとう出たか」「またか」。見えないウイルスがひたひたと広がる中、市民は不安を募らせている。
 佐世保市では、市内に住む70代の無職男性の感染を確認。市は東京都から帰省した親族が「感染ルートとなった可能性が高い」とみている。同市の主婦、石田舞子さん(39)は「妹が東京に住んでいるけれど、お盆や正月に会いに行くのを控えないといけない」と落胆。同市の公務員、富澤幸生さん(48)は「無症状で気付いていないだけで、おそらく(感染者は)どこにでもいるのではないか」と不安そうに語った。
 感染拡大が止まらない首都圏や関西圏について、朝長則男市長は「よほどのことがない限り行くべきではない」と強調。自身や職員の出張を自粛する考えを示した。
 諫早市では、友人と県外へ出掛けた医療職の60代女性が感染。市の緊急対策本部会議の後、宮本明雄市長は「いつ起きるか、と思っていたが、予想より早かった。感染者は医療従事者だが、大分県の医療施設のクラスターを考えると、少し怖い部分がある」と不安を漏らした。
 市役所を訪れていた同市の自営業、松下直人さん(68)は「ついにきたか」。感染拡大の波が都市部から地方に及ぶことを危惧していた様子で、「諫早だから安心とは思っていなかった。身近で起きることと注意しなければいけない」と気を引き締めた。市役所前広場で歓談していた市内の女子専門学生2人は「日頃から除菌シートを必ず持ち歩き、電車に乗った後やドアノブを触った後に使っている。手洗い、うがいをもっとしっかりしたい」と話した。

 


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