【新型コロナ】「神奈川モデル」運用初日、中等症患者3人受け入れ 

 新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が発令された7日、神奈川県内で医療崩壊を防ぐ医療体制「神奈川モデル」の運用がスタートした。県が「重点医療機関」に指定した県立循環器呼吸器病センター(横浜市金沢区)が患者3人を受け入れ、中等症患者の集約が本格化する。

 県内の感染者は3月下旬から増加傾向が加速し、31日から4月5日までの6日間は連日、公表数が2桁台を記録。3日は1日で最多の31人となり、累計は290人に上る。感染経路不明のケースも増えているが、「なんとかオーバーシュート(爆発的患者急増)にならず持ちこたえている状況」(県幹部職員)だ。

 6日午後1時現在の県の集計によると、新型肺炎の入院患者は126人。うち重症が13人、中等症が60人、軽症は53人という。

 重点医療機関は新型肺炎で酸素投与などが必要な中等症患者を集めて治療する病院。県は県立循環器呼吸器病センターに加え同足柄上病院(松田町)、国立相模原病院(相模原市南区)も指定しており、今週中にはこの3病院で計100床が確保できるという。

 一方、軽症者を受け入れる宿泊施設は9日の運用開始を目指して準備を進めている。県は県内で千室確保のめどが立ったとしており、施設名の公表は調整中としている。

 横浜市は7日、無症状や軽症の感染者向けの宿泊療養施設として、5月1日に移転予定の市立市民病院(同市保土ケ谷区)を活用する方針を示した。当面は約200人の受け入れを想定し、早期の実現を目指す。

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