【詳細解説】自民・立憲の支持率ダウン!維新はアップ!?一体なぜ・・・2020年4月電話・ネット意識調査

選挙ドットコムでは、4月11日(土)・12日(日)に日本国内の18歳以上の方を対象としたハイブリッド調査(電話調査とインターネット調査を同じ設問で同時に行う方式)による全国意識調査を実施しました。
電話調査(JX通信社と共同実施)では992件、インターネット調査(Gunosyリサーチを使用)では1,000件の有効回答を得ました。

「選挙ドットコムちゃんねる」でもゲストにJX通信社の米重克洋さんをお招きし、今回の調査について解説をしていただきました。
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ネット調査と電話調査の回答者に占める年代別割合について

調査の回答者の年代別の割合は上記のグラフの通りです。ネット調査では、40代以下での回答者が全体の約7割を占めており、比較的若い年代層の意識を抽出しています。また、電話調査では、回答者の7割以上を50歳以上で占めており、比較的高い年齢層の意識を抽出しています。

参考として昨年の7月に行われた第25回参議院議員通常選挙の投票者に占める年代別の割合も掲載しました。50代以上の投票者が7割近くを占めており、現段階では電話調査の方が投票者に近いサンプリングとなっています。

しかし、電話調査だけでは40代以下のサンプルをなかなか獲得することができません。選挙ドットコムのハイブリッド調査ではネット調査も同時に行うことにより、電話調査だけでは見えてこない若い世代の意識も抽出するように心がけています。

自民党と立憲民主党が大きく下がり、支持なしと日本維新の会がUP!

ハイブリッド意識調査(電話×ネット)による政党支持率(令和2年4月)

普段支持している政党について質問をしたところ、上記の表の通りの結果となりました。これまでと同じく、電話調査・ネット調査ともに「支持政党がない」という回答の次に「自民党」支持層が多い結果になっています。

3月度の調査と比べると、自民党が支持率を電話調査で2.8ポイント、ネット調査で2.4ポイント下落しました。また、立憲民主党は支持率を電話調査で2.8ポイント下落しました。これまで、立憲民主党の支持率は電話調査で12%程度を維持していましたが、初めて一桁台になりました。

選挙ドットコムちゃんねるにゲスト出演したJX通信社の米重氏は「自民党の支持率が低下したのは『政府の新型コロナウイルス感染症への対策』が大きな理由だと考えている。政府の新型コロナウイルス感染症対策は国民からあまり支持されていない。その煽りを政権与党の自民党が受けたと捉えられる。」としています。

また、立憲民主党の支持率低下については、「テレビでは新型コロナウイルス感染症ばかりが大きく取り上げられており、国会での様子はあまり取り上げられなくなった。その結果、立憲民主党の政策やスタンスをテレビを通して国民に示す機会が減少した。それが理由で支持率の低下につながったのではないか」としています。

今回の調査結果では、無党派層(支持なし)と日本維新の会の支持率が電話調査で大きく伸びていることが特徴です。

無党派層は、「政府の新型コロナウイルス感染症対策を支持できないが、とはいえその受け皿がない」という理由で増加したと考えられます。

日本維新の会について米重氏は、「大阪府の吉村知事の対応が大きく影響していると考えられる。新型コロナウイルス感染症の拡大防止や外出自粛要請の救済などの様々な取り組みを大阪では行っている。それがテレビで取り上げられた結果、支持率の上昇につながったのではないか。電話調査の回答者の年代は比較的高く、その年代は情報収集にテレビを頻繁に利用する傾向がある。3.2ポイントの増加は、高い年齢層の支持が動いた証拠と言える。」としています。

内閣支持率は「支持」が下落、「どちらとも言えない」が増加

ハイブリッド意識調査(電話×ネット)の2月・3月の比較

内閣支持率は「不支持」が「支持」を 10ポイント程度上回りました。また先月と比較をすると、「支持」が大きく下落し、「どちらとも言えない」が大きく上昇しました。そして、不支持の中では「全く支持しない」が「どちらかと言えば支持しない」より多いという状態に変化はありませんでした。

ハイブリッド意識調査のネット・電話の比較

ネット調査と電話調査の比較は上の図の通りです。電話調査では「支持」が20.5%、「どちらとも言えない」が32.1%、「不支持」が47.4%となりました。中間的な考えである「どちらとも言えない」割合が電話調査よりも高いことは特徴的です。また先月を比べると、「支持」が約7ポイント下落、「不支持」が約8ポイント上昇しています。

電話調査では「支持」が33.3%、「どちらとも言えない」が21.2%、「不支持」が45.5%となりました。先月と比べると「不支持」には大きな変化はありませんが、「支持」が約9ポイント下落、「どちらとも言えない」が約12ポイント上昇しています。これも大きな特徴といえます。

ハイブリッド意識調査(電話×ネット)の年代別比較

年代別にクロス分析は上の図の通りです。「18・19歳」「20代」「80代」はそれぞれ全体の10%にも満たないため参考値となります。

30代~70代で見ると、年代が上がるにつれて「どちらとも言えない」という回答が減少していることが分かりました。年代が上がるにつれて「内閣の支持・不支持」がはっきり分かれる傾向が見て取れます。70代では不支持が50%を超えていることも特徴的です。

また、どの年代においても「支持」が下落し、「どちらとも言えない」が上昇しています。

ハイブリッド意識調査(電話×ネット)の支持政党別比較

支持政党別でみると「支持する政党はない」と答えた層では、「不支持」が「支持」を40ポイント以上も上回りました。

与党・自民党の支持層では「支持」が「不支持」を55ポイント以上も上回りました。しかし、先月と比較すると「強く支持する」と「どちらかと言えば支持する」は約7ポイント下落しており、その代わり「どちらとも言えない」が増加しています。

また、与党・公明党の支持層では「支持」と「不支持」がほぼ拮抗。憲法改正などの政策で自民党と近い日本維新の会の支持層では「不支持」が「支持」を大きく上回りました。そして、その他の野党各党でも「不支持」が「支持」を上回っています。

全体のまとめとして、ゲストの米重氏は「全体的に『支持』が減少し、『どちらとも言えない』が増加している。政府の新型コロナウイルス感染症対策などから『内閣は支持できないが、他に頼れる政党がない』という人が存在することを示す結果とも捉えられる」としています。

その他にも様々な調査結果が!

4月のハイブリッド調査では、この他にも「緊急事態宣言の時期について」、「政府のコロナウイルス対応について」、「2枚の布製マスク配布について」などを調査を行っています。これらの調査結果は記事として後日リリースしますので、ぜひご覧ください。

今後も選挙ドットコムでは毎月定例で意識調査を実施し、みなさまにお伝えしていきます。また、選挙ドットコムのハイブリッド意識調査では、これまでわからなかった全世代の声を集めることができます。ご興味がある方はぜひお問い合わせください。

調査概要:調査は令和2年4月11日(土)と12日(日)に実施。日本国内の18歳以上の方を調査対象とし、有効回答数は電話調査(JX通信社との共同実施)で992件、インターネット調査(Gunosyリサーチを使用)で1,000件を取得。電話調査は無作為に電話番号を発生させるRDD方式をオートコールで実施。ネット調査ではスマートフォンアプリのダウンロードユーザーを対象にしたアンケートツールにより実施。各数値は小数第2位以下を四捨五入。

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