売り上げ減に危機感 長崎県内経済関係者 全国に緊急宣言

 長崎県内の観光関係者からは、さらなる売り上げ減を懸念しながらも「人命が第一。仕方がない」との声が漏れた。経済団体は地域経済への打撃を懸念し、相談や支援に向けた取り組みに言及した。
 「これ以上、客足が減ることには危機感がある」。長崎市の飲食店オーナーは苦しい胸の内を語る。団体客らのキャンセルが相次ぎ、売り上げは前年同期比で7割減。客足が少なく営業してもしなくても赤字の悪循環。「感染を広げないのが第一。政府の方針は仕方がない」。休業を要請された場合は今後、対応を考えるという。
 同市の飲食店オーナー、松尾久美さん(61)は「今月に入って一人もお客さんが来ない日が何度もあった」と人通りの少なさを実感している。「今の状況がさらに続くと厳しい。補償があるのであれば休業を考える」。先週から飲食チケットを販売し、収束後の客足を期待する。
 同市中心部のホテルの支配人は「今回の宣言でもっと稼働率が下がるかもしれない」と肩を落とす。空き室をテレワークで活用できないか検討している。
 長崎商工会議所の宮脇雅俊会頭は今回の措置を「やむを得ない」とし「国の緊急経済対策の速やかな実行と、県市による地域の実情に即した力強い企業支援をお願いしたい」と求めた。佐世保商工会議所の金子卓也会頭は「時間の経過とともに地域経済への打撃は甚大さを増すことが強く懸念される」として、中小・小規模企業に対する資金繰りなどの相談、支援に力を入れていくとした。

 


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