【インタビュー】長与町長 吉田愼一さん 新たなまちづくり全力で

吉田愼一氏

 〈21日に告示された西彼長与町長選で無投票当選を果たした。3期目の町政運営などについて聞いた〉

 -前回に続き2度目の無投票。どのように受け止めるか。
 前回と同様、無言の重さを感じている。ただ今回は2期8年を経て、町政の課題や難しさが分かる分、より重く受け止めている。無投票で見えなかったところをどう見ていくかが私の仕事。いろんなチャンネルをもって町民の皆さまの声を知る努力をしたい。
 -描くまちづくりとは。
 たくさんの人に来てもらい、住んでもらうのが長与の個性。そのための魅力づくりとして「子育て、教育、健康づくり」を掲げ、子どもを安心して産み育て、健やかに暮らせるまちづくりを進めてきた。今後はこれに「遊び心のあるまち」を加えたい。ウオーキングや大村湾でのマリンスポーツの推進、親子で遊べる公園の充実など、町民が楽しめ、人が集まるような仕掛けをつくりたい。
 -長期化する高田南土地区画整理事業の展望は。
 残工事を一括施工し5年間で終わらせるよう、今年3月、工事などの契約を共同企業体と締結した。今後、造成工事が進むことで、まちの姿が見えてくる。事業開始からすでに30年以上が経過しており、受託施工している県と連携を密にしながら、着実なかじ取りをしていきたい。
 -町民が待ち望む新図書館の建設は「高田南土地区画整理事業に一定のめどがついてから」としていた。
 一定のめどはついたので、本年度内にも図書館建設の実行委員会のような部署を役場内につくりたい。最適な図書館の見極め、どのような公共施設と組み合わせて建設するかなど、さまざまな角度から考えていく。実質的なスタートの年となるが、財政面の課題もあり、完成時期を言える段階ではない。
 -町のビジョンと抱負を。
 老朽化の目立つ公共施設がいくつかある。施設の統廃合や再配置など、新たなまちづくりを総合的に考える時期にきている。そのグランドデザインを来年度からの第10次総合計画に落とし込むことが大きな仕事と捉え、全力で取り組んでいきたい。(聞き手は西彼中央支局・松尾えり子)

 【略歴】よしだ・しんいち 1951年、長与町生まれ。NBC長崎放送営業局長などを経て2012年4月に初当選。「トップダウンというより、どちらかといえばボトムアップ型」と自己分析。「一歩譲る」という言葉が好きで、一歩先を行くより引いて見る世界が広いという。趣味はドライブや読書、人と話すこと。

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